内田清之助

内田清之助は、1884年（明治17年）12月1日に東京で生まれ、1975年（昭和50年）4月28日に90歳で亡くなった、日本の著名な鳥類学者です。

生い立ちと学歴

内田は東京市京橋区（現在の中央区銀座）で、たばこ屋を営む家庭に誕生しました。府立一中時代には、後にキューピーやアヲハタを創業する中島董一郎と同期でした。この頃から自然に強い憧憬を抱き、旧制第一高等学校を経て、1908年（明治41年）に東京帝国大学農科大学獣医学科に進学しました。卒業後は鳥類学者としての道を歩み始め、東京大学で副手を務めました。

鳥類学者としての活動

内田のキャリアは、1918年（大正7年）の狩猟法改正を契機に大きく展開します。この改正によって、農林業に有益な鳥獣の保護繁殖と狩猟鳥獣の利用増殖を目的とした鳥獣調査事業が開始され、内田はその総括・指導のため農商務省技師に任命されました。その後、農林省鳥獣調査室長などを歴任し、日本の鳥類研究を牽引しました。

1925年（大正14年）には、東京帝国大学から農学博士号を授与されました。博士論文は「Studies on amblycerous mallophaga of Japan (日本産隠角羽虱類の研究)」という題名で、寄生虫学の分野でも貢献がありました。

1936年（昭和11年）1月には、文部省の依頼により、鹿児島県の出水ツル渡来地でマナヅルとナベヅルの正確な頭数調査を実施し、鳥類の生態調査にも積極的に携わりました。

日本鳥学会での貢献

内田は、日本鳥学会の第3代会頭（1946-1947）を務め、その後も名誉会頭として学会の発展に尽力しました。

家族と親族

心理学者の内田勇三郎は実弟であり、魚類学者の内田恵太郎は従兄弟にあたります。内田家は学術分野で多くの人材を輩出した一族でした。

著書と論文

内田は多数の著書や論文を発表し、その研究成果を広く社会に伝えました。主な著書には、『日本鳥類図説』（1913年）、『鳥類講話』（1917年、後に『鳥学講話』として改題）、『鳥と旅』（1973年）などがあります。また、国立情報学研究所には、内田が発表した論文が多数収録されています。

晩年と死

内田清之助は、1975年（昭和50年）4月28日に心筋梗塞により90歳で生涯を閉じました。その生涯は、鳥類学の発展に大きく貢献し、後世に多大な影響を与えました。

関連人物

内田と交流があった人物としては、飯島魁や黒田長禮などが挙げられます。彼らもまた、日本の鳥類学の発展に貢献した人物です。

外部リンク

日本鳥学会のウェブサイトでは、内田清之助を含む多くの鳥類学者の情報を見ることができます。

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