円満院 (足利政知側室)

円満院（えんまいん）

円満院は、室町時代に生きた女性で、生年は不詳です。延徳3年7月1日（1491年8月6日）に亡くなりました。彼女は、堀越公方・足利政知の側室、または正室として知られています。また、室町幕府の第11代将軍となる足利義澄の生母でもあります。父は権大納言を務めた武者小路隆光です。

生涯

円満院は、武者小路隆光の娘として生まれました。その後、堀越公方・足利政知の側室（または正室）となり、政知との間に次男・清晃（後の足利義澄）と三男・潤童子をもうけました。

延徳3年（1491年）4月、夫の政知が亡くなると、円満院はその後を継いで家政を差配するようになりました。彼女は、自身の息子である潤童子を家督継承者としようとしました。

しかし、政知の長男で、かつて政知によって廃嫡され幽閉されていた茶々丸が、同年7月1日に円満院と潤童子を殺害するという事件が起こります。殺害の理由としては、円満院が自身の息子である潤童子を後継者に据えるために茶々丸を讒言し、それが茶々丸の廃嫡と幽閉につながったという恨みが原因だったとする説があります。

その後、円満院の次男であった清晃は、成長して足利義澄として第11代将軍に就任しました。将軍となった義澄は、幕府奉公衆であった伊勢宗瑞（北条早雲）に命じ、生母と実弟を殺害した茶々丸を討伐させました。これが、いわゆる伊豆討ち入りとして知られる事件です。

円満院の生涯は、室町時代の政治情勢と深く関わっており、彼女の死は、その後の歴史に大きな影響を与えることとなりました。

参考資料

黒田基樹『今川氏親と伊勢宗瑞 戦国大名誕生の条件』平凡社〈中世から近世へ〉、2019年1月。ISBN 978-4-582-47743-6。

関連項目

堀越公方

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