円融寺 (目黒区)

円融寺（えんゆうじ）

円融寺は東京都目黒区の碑文谷に位置する天台宗の寺院で、別名圓融寺とも呼ばれます。この寺院の山号は経王山であり、その歴史は非常に古いものです。

歴史

円融寺の起源は835年（仁寿3年）にまで遡ります。寺伝によると、円仁（慈覚大師）がこの地に法服寺を建立したとされています。その後、1283年（弘安6年）には日蓮の弟子である日源によって日蓮宗に改宗され、妙光山法華寺と改称されました。この寺院は中世から近世にかけて、吉良氏や徳川氏の保護を受け、18の坊舎と75の末寺を抱えるまでに発展しました。

1630年（寛永7年）には法華寺から日進が参加した身池対論が行われました。しかしながら、法華寺は不受不施派として江戸幕府から弾圧を受け、1698年（元禄11年）に再び天台宗に戻されました。その後、1834年（天保5年）に経王山円融寺へと改称が行われました。

不受不施派は法華経信者以外には施しを受けない、または与えない立場を取る一派であり、日蓮宗本山の久遠寺と対立していました。このため、江戸幕府からも弾圧を受けていました。日源の法脈は、この寺院の改宗をもって途絶えました。円融寺に伝わる尊像や宗教的遺物は他の所縁寺院に移されることとなります。

文化財

円融寺には、数々の重要文化財が残されています。まず、重要文化財として指定されている本堂（釈迦堂）は、室町時代中期に建てられたもので、建築様式は桁行三間、梁間四間の一重入母屋造で、銅板葺きとなっています。この本堂は1911年に指定されました。

他にも、重要美術品としては寛永20年（1643年）に鋳造された梵鐘があり、東京都指定有形文化財には木造金剛力士（仁王）像が含まれています。これは永禄2年（1559年）の作品です。また、目黒区指定文化財には仁王門、日源上人五重石塔、足守藩木下家や田原本藩平野家の女性の五輪塔が存在します。著名な故人の墓所もあり、西城秀樹や渡哲也、王貞治、張本勲など、多くの文化人や芸能人がここに眠っています。

交通アクセス

円融寺へのアクセスはとても便利で、多様な交通機関が利用可能です。東急電鉄目黒線の西小山駅からは徒歩で約15分、東急電鉄東横線の学芸大学駅からは徒歩で約20分です。また、東急バスを利用する場合は、黒01系統（目黒駅前発大岡山小学校前行き）で「碑文谷二丁目」停留所下車後、徒歩約3分、渋71系統（洗足駅発渋谷駅東口行き）で「円融寺前」停留所下車後、徒歩約3分となります。

円融寺はその歴史的背景や文化財の宝庫として、多くの人々に訪れられています。また、周辺には関連する寺院も多く、歴史散策にも最適なスポットとなっています。日々の喧騒を忘れ、静寂の中で心安らぐひとときを過ごすことができる場所です。

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