冬鳥越駅

冬鳥越駅について

冬鳥越駅（ふゆどりごええき）は、新潟県加茂市にかつて存在した蒲原鉄道の駅であり、1932年に開業しました。この駅は、蒲原鉄道線の一部として、七谷駅と土倉駅の間に位置していました。冬鳥越駅は、冬季にスキー場へのアクセスを提供することを目的として設計されており、スキー客の利用が特に多かったのが特徴です。

駅の構造

冬鳥越駅は、単式ホームを1面1線持つ地上駅で、ホームの長さは2両編成以上が停車できるように設計されていました。駅舎は、ホームの村松寄りに小さく構えられていました。また、駅の両側には直営の冬鳥越スキー場が隣接しており、冬季には多くのスキー客が訪れて賑わいました。

歴史

1932年11月20日、蒲原鉄道線の停留所として開業しました。スキー場が近くにあったため、特に冬季には多くの利用者が見込まれました。しかし、周辺地域の人口が少なく、冬以外の季節には利用者が激減したため、オフシーズンの利用は限られていました。

1985年4月1日、加茂と村松間の路線廃止に伴い、冬鳥越駅も廃駅となります。その後、駅舎やホームは解体され、スキー場の駐車場として転用されました。

スキー場の発展と変遷

冬鳥越スキー場は、1950年代から60年代にかけて栄えました。最盛期には、日曜日には約2,500人のスキー客が訪れ、スキーの人気が頂点に達しました。1967年にはスキートロイカの設置が行われ、翌年にはリフトに置き換えられました。1985年にはスキー場も経営が厳しくなり、1998年には一時営業を停止。しかし、2000年に市営として営業が再開され、2003年にはバラ園も併設されました。

保存車両

蒲原鉄道線は1999年に全線廃止となりましたが、冬鳥越駅近くには、最後まで在籍した旅客用電車のモハ61形61とモハ1形1が静態保存されています。特にモハ1形1は、その外装を現役当時の姿に近づけるために修復され、地域の文化財として指定されています。さらに、2009年にはED1形電気機関車も移設され、こちらも修復作業が施されています。

まとめ

冬鳥越駅は、その存在が地域の交通の一翼を担い、多くの人々に親しまれていました。冬鳥越スキー場との密接な関係を持ちながらも、廃止後は名残を惜しまれつつ、過去の鉄道文化を今に伝える役割を果たしています。今では、スキー場や保存されている電車が地域の観光資源として機能し、新たな魅力を加えています。

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