准定期運送用操縦士とは？意味をやさしく解説

准定期運送用操縦士（MPL）について

准定期運送用操縦士、英語で「Multi-crew Pilot Licence (MPL)」と呼ばれるこの資格は、日本の航空従事者に必要な国家資格の一つです。これは国土交通省によって管轄され、特に副操縦士が航空機を操縦する際に必要とされる免許です。

この資格は2013年に制度として新設され、日本航空が画期的に導入しました。以降、2017年から副操縦士としての乗務が可能となりました。なお、MPLを取得するためには、日本航空または全日本空輸に入社し、所定の訓練プログラムを修了する必要があります。その他の指定された養成機関（航空大学校や私立大学など）からはこの資格を取得することができません。

MPLの概要

従来、副操縦士は事業用操縦士（CPL）の免許を必要としていましたが、MPLは新たに旅客機の副操縦士専用の免許として設けられました。CPLは一般に小型飛行機の機長に必要とされるものであり、大型機の副操縦士には直接関係のない訓練内容も多く含まれていました。しかし、MPLは大型旅客機の操縦に限定した内容に特化しており、二人以上の操縦者による機体操作の理念や役割分担に関する教育が中心となっています。

このようにMPLは、CPLに比べて効率的に訓練が行えるため、必要な技術を短期間で習得することを目指しています。航空法において、MPLの操縦者は次のような業務範囲が定められています。

- 機長以外の操縦者として、構造上二人で操縦を必要とする航空機の操縦。
- 特定の方法や方式で飛行する際の二人で操縦を必要とする場合の航空機の操縦。

取得条件と試験内容

現在、MPLは飛行機の操縦に対してのみ有効であり、等級や型式にも制限があります。また、計器飛行を行うためには計器飛行証明も必要です。国家試験は国土交通省が実施し、受験者は18歳以上でなければならず、一定の飛行経験も要求されます。整った健康を証明するために「第一種航空身体検査証明」の取得も必要であり、これは自家用操縦士などに比べて厳しい基準が設けられています。現役のパイロットであっても、定期的に身体検査を通過しなければ操縦を続けることができません。

試験科目

MPLの資格を得るには、学科と実技の試験を通過する必要があります。学科試験の内容は以下の通りです。

- 航空工学
- 航空気象
- 空中航法
- 航空通信（概要）
- 航空法規（国内・国際）

実技試験では次のような項目が求められます。

- 運航知識
- 飛行前作業
- 飛行場での運航
- 離陸・着陸、緊急時操作や連携
- 総合的な能力

まとめ

准定期運送用操縦士（MPL）は、日本の航空業界における重要な資格であり、副操縦士としての役割を果たすためには欠かせないものです。MPL制度の導入により、効率的かつ専門的な技術を身につけた副操縦士の育成が進んでいます。

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