出雲大神宮

出雲大神宮の概要

出雲大神宮（いずもだいじんぐう）は、京都府亀岡市の亀岡盆地東部、御蔭山の山麓に位置する神社です。この神社は、式内社として知られる名神大社であり、丹波国の一宮でもあります。かつては国幣中社の社格を持ちましたが、現在は神社本庁に属さない独立した神社として運営されています。

出雲大神宮の旧称は「出雲神社」、また「元出雲」や「千年宮」という別名でも親しまれています。御蔭山は古来より神体山として崇められ、社殿は和銅2年（709年）に創建されたとされています。

社殿と文化財

現在の本殿は、重要文化財に指定されています。社殿は室町時代前期に改修されたとされ、特徴的な三間社流造の建築様式を持ち、前室や檜皮葺の屋根が施されています。装飾が控えめながらも、豪華さを感じさせる構造です。拝殿は1878年に建造され、独自の美しさを持っています。境内には「真名井の水」と呼ばれる湧き水もあり、長い伝統の中で御神水と崇められています。

祭神について

出雲大神宮の主祭神は大国主神（おおくにぬしのかみ）であり、別名では「三穂津彦大神」や「御蔭大神」として知られています。この神社は、他にも三穂津姫尊（みほつひめのみこと）や天津彦根命、天夷鳥命などの神々を配祀しています。このように、豊かな神々が一堂に祀られ、多様な信仰が寄せられています。祭神については複数の説があり、三穂津姫尊が主に祀られていたという伝承も存在します。

出雲大社との関係

出雲大神宮は、「出雲」という名称を用いていますが、島根県の出雲大社とは異なる法人です。一般には出雲大社が出雲大神宮から勧請されたと考えられていますが、社伝では逆に出雲大社が大神宮からの勧請を受けたとされています。「元出雲」という通称はこの背景を反映しており、社伝によれば「元明天皇和銅年中」に大国主神が移されたとされています。近年では、出雲大社と出雲大神宮の交流が進み、共に神事などが行われています。

歴史と年表

出雲大神宮の創建年は定かではありませんが、社伝の記録に基づき、709年に社殿が建立されたと伝えられています。平安時代には有力な神社とされ、名神大社として記録に残ります。鎌倉時代には立派な社殿が整備され、特に貞和元年には足利尊氏により社殿が造営されました。明治に入ると国幣中社に列し、戦後には「出雲大神宮」と改称されます。

祭事と文化

出雲大神宮では、4月18日に行われる鎮花祭が重要な祭事であり、出雲風流花踊が奉納されます。この祭りは本来雨乞いの踊りであったと言われており、その歴史は古く、1924年に再開されました。また、複数の文化財が境内に存在し、重要文化財に指定されている建物や彫刻などが文化的価値を持っています。

現地訪問

出雲大神宮は、京都府亀岡市千歳町に位置し、交通アクセスも良好です。JR亀岡駅からはバスを利用して簡単にアクセスでき、車の場合は京都縦貫自動車道の亀岡ICから約20分で到着します。この場所は、自然豊かな環境に包まれた神社で、歴史ある建造物と美しい風景を楽しむことができます。

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