初期ローマの七丘

初期ローマの七丘について

初期ローマの七丘とは、古代ローマにおける重要な祭典の一つである「七丘祭」で祝われた7つの丘のことです。この祭りは毎年12月11日に行われ、都市ローマ成立以前に人が定住したとされる場所を祝うものでした。

七丘の構成

初期ローマの七丘は以下の7つから構成されています。

1. オッピウス (Oppius)：現代イタリア語ではオッピオと呼ばれます。エスクイリヌス丘の南西部分にあたります。
2. パラティウム (Palatium)：パラティーノ丘の東側を指します。ローマの伝説的な創設者ロムルスが最初に定住したとされています。
3. ウェリア (Velia)：パラティヌスとエスクイリヌス丘の間にある尾根部分。
4. ファグタル (Fagutal)：オッピウス丘の一部とされます。森林に覆われた場所であったと考えられます。
5. ケルマルス (Cermalus)：パラティーノ丘の西側を指します。パラティウムと対をなす丘と見なされていました。
6. カエリウス (Caelius)：現代イタリア語ではチェリオと呼ばれます。ローマの南東部に位置する丘です。
7. キスピウス (Cispius)：エスクイリヌス丘の北東部分です。

これらの丘は、ローマ建国以前に人々が生活していた場所として知られ、後の都市ローマの発展の基礎となりました。

ローマの七丘との違い

初期ローマの七丘は、一般的に知られる「ローマの七丘」とは異なる概念です。ローマの七丘は、都市ローマの起源と神話に深く関連しており、以下の7つを指します。

アウェンティヌス（アヴェンティーノ）
カピトリヌス（カンピドリオ）
カエリウス（チェリオ）
エスクイリヌス（エスクイリーノ）
パラティヌス（パラティーノ）
クイリナリス（クイリナーレ）
ウィミナリス（ヴィミナーレ）

ローマの七丘は、都市ローマが成立した後にその起源を語る上で重要な意味を持ちます。一方、初期ローマの七丘は、より古い時代に人々が定住した場所であり、地理的範囲もパラティヌスに近い狭い範囲に限られています。特に、パラティヌス丘が東西に分けられてパラティウムとケルマルスとして扱われ、エスクイリヌス丘が分割されてその南西部分がオッピオとファグタルとして扱われている点が特徴的です。

現代のローマの七丘

現代では、ローマの七丘という概念は以下のように変化しています。

アウェンティヌス（アヴェンティーノ）
カピトリヌス（カンピドリオ）
パラティヌス（パラティーノ）
クイリナリス（クイリナーレ）
ホルトゥロルム（ピンチョ）
ヤニクルム（ジャニコロ）
オッピウス（オッピオ）

これらの丘は、観光名所としても人気があり、ローマの歴史と文化を今に伝えています。

まとめ

初期ローマの七丘は、都市ローマ成立以前に人々が定住した場所を示すものであり、ローマの七丘とは異なる歴史的背景を持っています。七丘祭はこれらの丘を祝福する重要な祭典であり、初期ローマの文化と歴史を理解する上で欠かせない要素です。これらの丘々は、ローマの長い歴史の中で様々な役割を果たし、現在のローマの基礎を築きました。

もう一度検索