判任官

判任（はんにん）について

判任は、日本における官職の制度の一つで、天皇の委任を受けた行政機関の長が官職に任命する過程を示します。この制度は、特に「判任官」と呼ばれる職位に関連して説明されます。判任官は、明治時代に設立された高等官の下に位置づけられ、1886年に整備され、その後1946年まで存在しました。

判任の歴史的背景

判任制度の起源は、律令制の時代にさかのぼります。当時、太政官は式部省や兵部省からの推薦に基づいて官職を任命し、これを判任と呼びました。特に、官位相当の定めがない郡司や主政、主帳、家令なども判任に該当しました。この判任制度に上位の「奏任」、下位の「判補」が存在しました。

明治以降、判任制度は大きく変化しました。初めは1868年の政体書に基づき、官等を九等まで区別し、六等官以下を判授官としました。これにより、判任官は多くの公務員の中で特に重要な役割を担うこととなりました。

判任官の官等制

1869年には官位相当制が導入され、判任は主に正七位以下の官に適用されるとされました。この際、判任官はその長官から任命を受け、位階は太政官から与えられました。秒間規定も整備され、判任官の俸給は月給制に変わりました。

その後、1871年には太政官制が改正され、八等以下を判任官に指定し、官職の運営がさらに細分化されました。この時代、俸給も従前の六等から十分に見合う形で調整され、官位に応じた俸給が設定されるようになりました。

判任官の役割

判任官は、行政機関内で重要な役割を果たし、一定の官権を持っていました。文官試験による採用制度も整い、判任官になるためには、特定の教育背景や試験に合格する必要がありました。このようにして、国家の運営を支えてきたのです。

内閣制導入後の変化

明治19年に内閣制が導入されると、判任官制度も修正されました。従来の太政官制から内閣制度に転換され、判任官は新しい枠組みの中で機能し続けました。特に、判任官官等俸給令によって、判任官は10等に分けられ、俸給も整備されました。

1946年の廃止と新制度

しかし、1945年の連合国による占領後、判任官制度は1946年に正式に廃止されました。この際、官吏任用叙級令が発表され、判任官は三級官吏として再編成されることとなり、大日本帝国憲法に基づく官吏の任用制度に移行していきました。これにより、判任官制度の終焉を迎え、多くの官吏制度が新たな体系に移行することとなりました。

まとめ

判任官制度は、日本の官職制度において重要な役割を果たしてきました。多くの歴史的な変遷を経て、現代の官僚制度へと発展する基盤を築いたと言えます。官権の委任、職務の遂行、そして行政機関の運営において、判任官は不可欠な存在であり続けました。

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