政体書

政体書とは

政体書は、明治初期の日本の政治体制と統治機構について定めた太政官の布告です。副島種臣と福岡孝弟が中心となり、アメリカ合衆国[[憲法]]や『西洋事情』などを参考に草案が作成されました。慶応4年閏4月21日（1868年6月11日）に発布され、日本の近代化に向けた重要な一歩となりました。

背景

慶応3年12月9日（1868年1月3日）の王政復古の大号令、慶応4年1月3日から7日（1月27日から30日）の鳥羽・伏見の戦い、4月11日（5月3日）の江戸開城などを経て、新政府は関東以西の地域をほぼ掌握しました。しかし、奥羽・北越地方では依然として戦闘が続いていました。このような状況下で、新政府はそれまでの臨時政府的な三職体制を改め、新たな官制を定める必要に迫られました。そこで、政体書が制定され、新政府の基本方針が示されることになったのです。

内容

政体書は、冒頭に五箇条の御誓文を掲げ、これを政府の基本方針としました。国家権力を総括する中央政府として太政官を設置し、その首班には二名の輔相が置かれました。太政官の権力は、立法、行政、司法の三権に分割され、それぞれを議政官、行政・神祇・会計・軍務・外国の五官、刑法官が担当しました。これにより、三権分立体制が確立されました。しかし、実際には議政官に議定・参与で構成する上局の実力者が行政各官の責任者を兼任したり、刑法官が行政官の監督下にあったりするなど、権力分立は不十分なものでした。また、地方においては府藩県三治制が採用されました。

その後

戊辰戦争終結後、政治情勢の変化に伴い、政体書の内容は若干変更されました。明治2年7月8日（1869年8月15日）には、新たな職員令が発布され、太政官は二官六省体制へと改められました。これにより、政体書が定めた体制は終わりを告げましたが、その理念は後の日本の政治体制に大きな影響を与えました。

政体書の主な条項

第1条: 五箇条の御誓文を国家の基本方針とする。
第2条: 太政官への権力集中。立法・行政・司法の三権分立。
第3条: 立法官と行政官の兼職禁止。
第9条: 各官の任期を4年とし、2年ごとに半数を改選する。
第13条: 第一等官から第九等官の官等を定める。

関連情報

外部リンク: 「『政体』慶応四年太政官達第三百三十一号」法令全書（国立国会図書館所蔵）
* 関連項目: 近代日本の官制、明治維新

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