前田優

前田優：激動の時代を駆け抜けた海軍軍人・海上自衛官

前田優（まえだ まさる、1924年8月26日 - 2011年2月9日）は、日本の海軍軍人、そして海上自衛官として活躍した人物です。兵庫県出身で、旧制加古川中学校を経て海軍兵学校に入校しました。太平洋戦争中は空母「鳳翔」などに乗組み、終戦後は復員業務に従事。その後、海上警備隊に入隊し、海上自衛隊では数々の要職を歴任し、第14代海上幕僚長に就任しました。

海軍時代

1941年12月1日、前田は海軍兵学校に入校。1944年3月22日に卒業し、海軍少尉候補生となります。同年4月15日には空母「鳳翔」に配属され、軍人としてのキャリアをスタートさせました。9月1日には海軍少尉に任官し、1945年3月1日には海軍中尉に進級。その後、空母「葛城」に乗り組みます。終戦間際には、海軍総隊司令部附や連合艦隊司令部附、呉鎮守府附を歴任し、終戦を迎えます。同年9月25日には駆逐艦「夕風」の航海長兼分隊長に着任しましたが、11月30日には予備役に編入、充員召集となります。

戦後の復員と海上自衛隊

1946年1月15日、前田は呉地方復員局に出仕し、2月14日には「第九号駆潜艇」に乗組員として配属されます。しかし、1947年11月28日には公職追放の仮指定を受けるという苦難も経験します。その後、1952年6月に海上警備隊に入隊し、二等海上警備士として新たなスタートを切りました。1962年1月には2等海佐に昇任し、1964年8月には海上幕僚監部先任副官に就任。1966年7月には護衛艦「いそなみ」の艦長として、現場の指揮を執りました。

要職を歴任

1967年7月1日、前田は1等海佐に昇任し、自衛艦隊司令部幕僚となります。1969年2月17日には海上幕僚監部防衛部防衛課防衛班長に就任し、防衛政策の中枢を担いました。1972年3月16日には第21護衛隊司令、1973年12月16日には舞鶴地方総監部幕僚長と、要職を歴任します。1974年7月1日には海将補に昇任し、同年12月5日には第18代第2護衛隊群司令に就任。1976年3月16日には統合幕僚会議事務局第5幕僚室長として、自衛隊全体の運営にも携わりました。

海上幕僚長として

1977年7月1日、前田は海将に昇任。同年9月1日には海上自衛隊第1術科学校校長に就任し、後進の育成に尽力しました。1979年2月1日には第17代佐世保地方総監、1980年2月15日には第21代自衛艦隊司令官と、海上自衛隊の主要なポストを歴任し、1981年2月16日には第14代海上幕僚長に就任しました。約2年間の任期中、前田は長年の懸案であった補給実施要領や自衛艦乗員服務規則などの内規を整備し、実施に移しました。また、P-3C部隊の新編やシーレーン防衛に関する議論にも積極的に対応しました。

退官後

1983年4月26日、前田は海上自衛隊を退官。1994年11月3日には、その長年の功績が認められ、勲二等瑞宝章を受章しました。2011年2月9日、前田は自衛隊横須賀病院で86歳で逝去。叙・正四位が贈られました。

前田優は、激動の時代を駆け抜け、日本の防衛に大きく貢献した人物です。海軍軍人としての経験を活かし、海上自衛隊の発展に尽力した彼の功績は、後世に語り継がれるでしょう。

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