前田山 (高松市)

前田山の概要

前田山（まえだやま）は、香川県高松市と木田郡三木町の境界に位置する丘陵の総称です。この地域は複数の小山が連なっており、最高峰の標高は280.1mに達します。前田山は地形が複雑で、隆起扇状地や段丘、浸食谷などが入り乱れた美しい環境を形成しています。

地理と特徴

前田山は、香川県高松市の東部と三木町の北部に広がり、高松市側では古高松地区や前田地区、牟礼地区が広がっています。逆に三木町側では平井地区の一部が該当します。高松平野の北東端に位置し、高松周辺の都市が連続して広がる範囲の終わりを示す地形としても知られています。特徴的なのは、特に高い峰がなく、全体が小高く起伏に富んだ丘で構成されている点です。また、三角点が最高峰を含む5地点に設置されており、最高峰は三等、その他は四等に分類されています。

放送送信所

前田山には全てのテレビ局の送信所が設置されており、NHK高松が親局となり、その他の民放が中継局として機能しています。この山は単なる山としてだけでなく、電波送信所の所在地「前田山送信所」としての認知が特に強いです。このため、通称「前田山」と言うと送信所を指すケースが多いです。送信所は2基の電波塔で構成されており、南のタワーからはNHK高松放送局や瀬戸内海放送の信号が発信され、北のタワーからは西日本放送、RSK山陽放送、岡山放送、テレビせとうちの電波が送信されています。地上デジタル放送の設備も整っており、近代的な通信インフラが特徴です。

交通アクセス

前田山へ向かうための道路は整備されていないため、目的地によって異なる登山口があります。最高峰に向かう道路は前田地区からアクセス可能で、自動車でも通行できますが、道幅が狭く、カーブが多いため、対向するのが難しい点に注意が必要です。この道路はテレビ送信所の建設時に作られたため、先に進むことはできず、途中からは私有地となっているため立ち入れません。また、牟礼地区からアクセスするゴルフ場専用の道路もありますが、これは関係者以外の通行が推奨されていません。道路は周辺の香川県道272号高松志度線や香川県道38号三木牟礼線を通じて高松市とさぬき市志度、三木町との間で便利に移動できる設計となっています。県道38号では新立石トンネルを利用できますが、以前は少数派の手彫りトンネルである立石隧道を経由されていました。これもまた狭隘な道でした。

施設と関連項目

前田山送信所には次の放送局が設置されています：

• - NHK高松放送局前田山テレビ放送所
• - 瀬戸内海放送前田山テレビ送信所
• - 西日本放送前田山テレビ放送局
• - RSK山陽放送高松テレビ放送局
• - 岡山放送高松テレビ放送局
• - テレビせとうち高松テレビ放送局

また、屋島カントリークラブや倉田学園（大手前高松中学・高等学校）の総合グラウンドも、この地域の重要な施設として存在しています。

前田山はその地形の魅力とともに、地域の通信インフラの中心地としての役割も果たしている、重要な存在です。

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