剥片石器

剥片石器は、原石（母岩）を打ち欠いて作られた薄い石の破片、すなわち剥片から製作された石器であり、石核石器の対義語として位置づけられます。剥片が剥がされた後の母岩は「石核」と呼ばれます。

剥片石器の種類と用途

剥片石器には、以下のような種類があります。

尖頭器・石槍: 狩猟用の道具として用いられました。
石鏃: 弓矢の先端に取り付けられ、狩猟や戦闘に使用されました。
石匙: 食物をすくったり、削ったりするのに使われました。
石銛: 魚を突き刺すための漁具として用いられました。
石篦: 土器の表面を磨いたり、模様をつけたりするのに使われました。
石錐: 穴をあけるための道具として用いられました。
石鋸: 木材などを切断するための道具として用いられました。

これらの石器は、主に利器として使用されました。また、剥片から製作された磨製石器はごく少数ですが、玉類などが存在します。日本列島の旧石器時代に作られた局部磨製石斧も、剥片石器に分類されることが多いです。

剥片石器の技法

旧石器時代には、縦長の剥片を剥ぎ取るための石刃技法や、横長の剥片を剥ぎ取る瀬戸内技法など、特定の形状の剥片を効率的に得るための技法が用いられました。一方、縄文時代の剥片剥離は、比較的自由に石核を打ち割っており、規格性に乏しい傾向があります。

関連用語

考古資料
遺物
石器
* 剥片

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