副輔祭

副輔祭とは

副輔祭（ふくほさい）は、正教会における重要な奉職者であり、主教や司祭の補佐を行う役割を持っています。この役職は、ギリシャ語で「副」を意味する「イポ」と「奉仕者」を意味する「ディアコノス」に由来しています。副輔祭は、教衆や他の教役者に数えられますが、神品には含まれません。これは、神品機密によるのではなく、主教からの祝福によって任命されるためです。カトリック教会の副助祭に相当し、その役割は聖堂内の奉神礼において非常に重要です。

役割と務め

副輔祭の主な職務は、主教が執り行う奉神礼における補佐です。具体的には、主教の祭服を整えたり、聖堂内のイコノスタシスの門の開閉を行ったりします。また、リピタやディキリ・トリキリなどの聖器物を取り扱うことも含まれます。これらは祭典の際に重要な役割を果たし、神聖な儀式が円滑に行われるよう支援します。

副輔祭は、主教祈祷の時だけでなく、司祭祈祷、つまり司祭が主導する奉神礼においても補助を行うことができます。この場合、彼の役割は至聖所での堂役（どうえき）とほぼ同等です。これによって、副輔祭は教会の奉仕における中核的な存在となっています。

祭服とその意義

副輔祭が着用する祭服には、ステハリと大帯（オラリ）が含まれます。ステハリは、神からの恩寵を示す重要な衣装であり、大帯は天使セラフィムの翼を象徴するものです。副輔祭は、常にステハリの上に大帯を十字に交差させて着用します。これは聖書のイザヤ書6章に描かれる場面を模しており、主教の傍らで奉仕する天使の姿を具現化しています。

また、副輔祭は大帯だけを着用することは決してなく、これは祝福を受けた後でなければ職務に就けないことを示しています。このように、彼らの服装は単なる装飾ではなく、それぞれの役割と神からの祝福の重要性を強調する意味があります。

まとめ

副輔祭は、正教会における重要な役目を担っており、教会の祭典を支える存在です。彼らの役割や祭服の意味を理解することで、信者たちはこの職務の神聖さや重要性をより深く知ることができます。副輔祭の存在は、教会の奉仕における調和と秩序を保つために欠かせないものなのです。信者たちは、彼らの勤勉な奉仕に感謝し、共に教会の信仰を育んでいくことが求められています。

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