割見塚古墳

割見塚古墳

割見塚古墳（わりみづかこふん）は、千葉県富津市に所在する方墳であり、内裏塚古墳群を構成する一基です。この古墳は、その規模と構造において、千葉県内でも有数の存在として知られています。

概要

古墳は一辺40メートル、高さ3.5メートルの方形で、周囲には二重の周溝が巡らされています。内側の周溝は一辺63メートル、外側の周溝は一辺107.5メートルと、広大な範囲に及びます。千葉県内の方墳としては、龍角寺岩屋古墳、駄ノ塚古墳、松面古墳に次ぐ4番目の規模を誇り、周溝を含めた総面積では、駄ノ塚古墳や松面古墳を凌駕し、岩屋古墳と肩を並べるほどの大きさを誇ります。

石室の調査と出土品

1964年（昭和39年）には早稲田大学により、1984年（昭和59年）には君津郡市文化財センターによって、横穴式石室の発掘調査が行われました。この石室は全長11.7メートル、前庭部を含めた総延長は18.75メートルにも及び、千葉県内最大規模であるだけでなく、全国的に見ても有数の規模を誇ります。石室は残念ながら盗掘の被害に遭っていましたが、前庭部からは、直刀、金銅製の弓はず、弓飾り金具、刀子装具（金銅製・銀製）、馬具（心葉形杏葉、方形鏡板、帯金具）、鉄鏃、須恵器の長頸壺、土師器の坏など、多岐にわたる貴重な遺物が出土しました。

国指定史跡の現状

当古墳は、1924年（大正13年）に国指定史跡の仮指定を受けましたが、現在に至るまで正式な指定は行われていません。その理由は明確ではありませんが、古墳の歴史的価値と重要性を鑑みると、今後の正式指定が望まれます。

まとめ

割見塚古墳は、その規模の大きさ、特徴的な二重周溝、そして発見された多種多様な出土品を通じて、当時の社会や文化を知る上で非常に重要な遺跡です。古墳の調査研究は今後も続けられ、新たな発見が期待されます。地域住民にとっては、身近な歴史遺産として、その保全と活用が求められています。

参考文献

富津市教育委員会「千葉県富津市 内裏塚古墳群総覧」2008年

関連項目

日本の古墳一覧

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