劉彊

劉彊（りゅう きょう）

劉彊（25年 - 58年）は、後漢の初代皇帝である光武帝の長男です。母は最初の皇后である郭聖通。当初は皇太子として将来を嘱望されましたが、後にその地位を降り、東海王となりました。

生涯

建武2年（26年）、母の郭聖通が皇后に立てられたのに伴い、劉彊は皇太子に指名されました。しかし、建武17年（41年）に郭聖通が皇后を廃位されると、劉彊は自身の立場に不安を抱き始めます。彼は周囲の者や他の諸侯王たちを通じて、皇太子の地位を辞退し、諸侯王として領地を与えられることを願い出るようになりました。

光武帝は劉彊を廃位することに心を痛め、なかなか許可しませんでしたが、最終的には彼の意思を尊重し、建武19年（43年）に劉彊は東海王に封じられました。建武28年（52年）には、自身の領国へと赴任しました。

劉彊の廃位は、彼自身の過失によるものではなく、礼儀を重んじた結果でした。そのため、光武帝は劉彊を厚遇し、魯郡を含む29県という広大な領土を与え、馬車や宮殿の調度品も皇帝と同等のものを使用することを許しました。しかし、劉彊は東海郡を返上することを申し出ます。光武帝はこれを許可しませんでしたが、彼の謙虚な姿勢に感銘を受け、その上奏文を臣下たちに示しました。魯にはかつて前漢時代の魯王・劉余が築いた壮麗な霊光殿という宮殿があったため、光武帝は劉彊に魯を都とするように命じました。

建武中元元年（56年）には、劉彊は都に入朝し、光武帝と共に泰山で行われた封禅の儀式に参列しました。翌年の春に光武帝が崩御すると、冬に自身の領国へと帰国しました。

永平元年（58年）、劉彊は病に倒れました。弟である明帝は医者を派遣し、兄弟や他の諸侯王たちに魯へ見舞いに来るように命じましたが、劉彊はそのまま亡くなりました。明帝は司空を派遣して葬儀を執り行わせ、特別な格式をもって手厚く葬りました。享年34歳。

諡は恭王。彼の領地は子の劉政（東海靖王）が継承し、東海王の地位はその後も子孫によって受け継がれ、後漢が滅亡するまで続きました。

後漢末期、反董卓連合の領主たちによって皇帝候補に擁立された劉虞は、東海王の一族であり、劉彊の子孫の一人です。

参考文献

* 范曄『後漢書』列伝32東海恭王彊伝

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