劉恩格

劉恩格（りゅう おんかく）

劉恩格は、字を鯉門といい、中華民国から満州国にかけて活動した政治家です。北京政府・奉天派の政治家として頭角を現し、後に満州国に参加しました。彼の生涯は、激動の時代における政治家の変遷を象徴しています。

生い立ちと初期の活動

劉恩格は奉天法政学堂を卒業後、日本へ留学しました。帰国後は雲南法政学堂の教員を務めました。1912年、中華民国成立直後の混乱期に奉天提法司科員に任官し、政治の世界に足を踏み入れました。翌年には衆議院議員に選出され、国民党に所属。さらに憲法起草委員会の委員にも任命されました。しかし、第二革命（二次革命）が勃発すると、上海に渡り革命派として活動したものの、失敗に終わり逮捕されました。

奉天派での活躍

釈放後、1914年に劉恩格は奉天将軍公署秘書に転じ、奉天派の指導者である張作霖の配下となりました。1917年11月には臨時参議院議員に選出され、翌年8月には張作霖の推薦により安福国会で衆議院副議長に就任しました。1919年には、南北和平会談で張作霖の代表を務めました。1921年10月には、察哈爾特別区域興和道尹に任ぜられましたが、翌年の第一次奉直戦争で奉天派が敗北したことにより、全ての職を辞任しました。

満州国での活動

1932年、劉恩格は満州国の立法院秘書長に任命され、満州国の政治に関わるようになります。1934年10月、立法院が立法院設立準備のための秘書庁のみに改組されたことに伴い、院長の趙欣伯が辞任。その後、劉恩格が立法院秘書庁秘書長として、事実上、立法機関のトップに立ちました。

その後

満州国が滅亡した後の劉恩格の消息は不明です。激動の時代を生き抜いた政治家としての彼の生涯は、歴史の中に埋もれており、その後の足跡は今日まで明らかにされていません。

参考資料

徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。ISBN 978-7-202-03014-1。
外務省情報部編『改訂 現代支那人名鑑』東亜同文会調査部、1928年。
* 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。ISBN 7-101-01320-1。

もう一度検索