劉悝

劉悝（りゅう かい）は、後漢時代の皇族であり、勃海王として知られています。生年は定かではありませんが、桓帝の弟であり、平原王劉碩の兄弟にあたります。

蠡吾侯劉翼の子として生まれた劉悝は、父の死後、兄の劉志が桓帝として即位したことで、蠡吾侯位を継承しました。147年（建和元年）には、勃海孝王劉鴻が後継者を残さずに亡くなったため、その後を継いで勃海王となりました。

しかし、165年（延熹8年）には、反乱を計画したという罪で廮陶王に降格させられます。劉悝は勃海王への復位を強く望み、中常侍の王甫に多額の謝礼金を約束して働きかけました。167年（永康元年）に桓帝が崩御する際、劉悝を勃海王に戻すよう遺詔を残したものの、劉悝は王甫の働きによるものではないと考え、謝礼金を支払おうとしませんでした。これに怒った王甫は、劉悝の過去の過ちを密かに集め、霊帝が即位した際に、劉悝が立てられなかったことを恨み、召還文書を偽造しようとしたという噂を流しました。

しかし、中常侍の鄭颯や中黄門の董騰らは、劉悝と親交があり、頻繁に往来していました。王甫は彼らを調査し、不穏な動きがあると断定して司隷校尉の段熲に密告しました。172年（熹平元年）、鄭颯が逮捕され、北寺の獄に送られました。尚書令の廉忠は、鄭颯らが劉悝を皇帝に擁立しようとしていると霊帝に讒言しました。霊帝は冀州刺史に命じて劉悝を逮捕させ、大鴻臚に節を持たせて、宗正や廷尉とともに勃海国に派遣し、劉悝を厳しく責め立てました。同年10月、劉悝はついに自殺し、妃妾11人、子女70人、伎女24人も獄中で命を落としました。さらに、傅や相をはじめとする勃海国の官吏たちは、王を補佐する義務を怠ったとして処刑されました。

劉悝の悲劇的な生涯は、『後漢書』に詳しい記述が残されています。

参考資料

* 『後漢書』巻55 列伝第45

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