劉文輝

劉文輝（りゅう ぶんき）

劉文輝（1895年1月10日 - 1976年6月24日）は、中華民国時代の軍人であり、四川派の有力な指揮官として知られています。字は自乾。彼は国民革命軍に所属し、後に四川省を二分するほどの勢力を持つに至りました。特に、同じく四川派の有力者であった劉湘は、叔父または父方の従兄弟にあたり、その関係性も注目されました。

生涯

劉文輝は、14歳で成都の四川陸軍小学に入学し、軍人としての道を歩み始めます。その後、西安陸軍中学を経て、北京の陸軍第一中学に進学しました。1914年には保定陸軍軍官学校に入学し、砲兵科で専門的な知識を習得しました。1916年に卒業後、劉湘の紹介により四川軍に加入し、軍人としてのキャリアを本格的にスタートさせます。

順調に昇進を重ねた劉文輝は、1923年には川軍第9師師長兼成都衛戍司令にまで上り詰めました。1925年には四川軍務幇弁に任ぜられ、翌年には国民政府側に転じ、国民革命軍第24軍軍長に就任します。1928年には川康辺防総指揮、さらに四川省政府主席に昇格し、劉湘と並ぶ四川派の有力者となりました。

しかし、この頃から劉湘との対立が表面化し、1932年秋から両者の間で四川省の支配権を巡る激しい戦い（「二劉之戦」）が繰り広げられました。この戦いに敗れた劉文輝は、西康方面へ逃亡することになります。1934年、劉文輝は国民政府中央により西康建省委員会委員長に任命され、西康省の創設に向けた活動を開始します。1939年、西康省が正式に成立すると、劉文輝は西康省政府主席兼全省保安司令に任命され、その地位を維持しました。

1949年12月、国共内戦の終結が近づく中、劉文輝は鄧錫侯、潘文華ら四川派の有力者と協力し、中華人民共和国への起義を宣言します。中華人民共和国成立後、劉文輝は西南軍政委員会主席、中国人民政治協商会議全国委員会常務委員、林業部部長など数々の要職を歴任しました。1976年6月24日、北京市で病のため81歳で亡くなりました。

主な役職

川軍第9師師長兼成都衛戍司令（1923年）
四川軍務幇弁（1925年）
国民革命軍第24軍軍長（1926年）
川康辺防総指揮（1928年）
四川省政府主席（1928年）
西康建省委員会委員長（1934年）
西康省政府主席兼全省保安司令（1939年）
西南軍政委員会主席
中国人民政治協商会議全国委員会常務委員
林業部部長
全国人民代表大会常務委員会委員
中国国民党革命委員会（民革）中央常務委員会委員

参考文献

徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。ISBN 978-7-202-03014-1。
馬宣偉「劉湘」謝本書主編『西南十軍閥』上海人民出版社、1993年。ISBN 7-208-01642-9。
* 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。ISBN 7-101-01320-1。

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