劉柏根

劉柏根（りゅう はくこん）は、西晋末期に活躍した人物で、生年は不明ですが306年に没しました。彼は東萊郡惤県（現在の山東省一帯）の出身で、劉伯根とも記されます。

西晋に仕え、惤県の県令を務めていましたが、光熙元年（306年）に突如として数万の兵を擁して反乱を起こし、西晋からの自立を宣言して惤公を自称しました。この反乱の背景には、当時の西晋の政治腐敗や社会不安があったと考えられています。

反乱軍は、同郷の王弥が家人を率いて帰順すると、劉柏根は王弥を長史に任じました。さらに、王弥の従弟である王桑を東中郎将に任じ、軍事面を強化しました。彼らは淄河に沿って侵攻を開始し、その勢力は急速に拡大しました。

西晋朝廷は、この事態に対処するため、都督青州諸軍事の司馬略に鎮圧を命じました。司馬略は鎮軍将軍劉暾に迎撃を命じましたが、劉暾は劉柏根軍に敗れ、洛陽へ敗走しました。さらに、劉柏根軍は司馬略自身を攻撃し、司馬略は聊城へ逃走せざるを得ませんでした。この一連の勝利により、劉柏根の勢威は頂点に達しました。

しかし、西晋朝廷も黙ってはいませんでした。安北将軍王浚が討伐軍を派遣し、劉柏根軍との決戦に臨みました。この戦いで劉柏根は敗北し、戦死しました。彼の死後、王弥が敗残兵をかき集め、その勢力を引き継ぎ、後の動乱の時代に名を残すことになります。

劉柏根の反乱は短期間で鎮圧されましたが、西晋末期の社会情勢を反映する出来事であり、その後の五胡十六国時代の幕開けを予感させるものでした。彼の反乱は、西晋の衰退を加速させる一因となったと言えるでしょう。

参考文献
『資治通鑑』巻86
『晋書』巻4 ・巻100

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