司馬略

司馬略（しば りゃく）

司馬略（生年不詳 - 永嘉3年3月9日（309年4月5日））は、西晋時代の皇族であり、字は元簡と称しました。彼は司馬懿の四弟である司馬馗の孫にあたり、高密王司馬泰の子として生まれました。八王の乱を終結させた東海王司馬越や司馬騰とは兄弟の関係にあります。

生涯

司馬略は、幼少の頃から両親を敬い、慈悲深く優しい性格であったと伝えられています。賢人に対しては謙虚に礼儀正しく接し、父である司馬泰の風格を受け継いでいました。

元康元年（291年）、皇太子司馬遹の賓友を選ぶ際、大臣の子弟の中から声望のある者が選ばれることになり、司馬略は華恒らと共に抜擢され、皇太子の側近として仕えることとなりました。

元康9年（299年）に父が亡くなると、その爵位を継いで高密王に封じられました。その後、散騎黄門侍郎、散騎常侍、秘書監といった官職を歴任し、洛陽を離れて安南将軍・持節・都督沔南諸軍事に任じられ、やがて安北将軍・都督青州諸軍事に移りました。青州では、刺史であった程牧を威圧して追放し、自ら青州を領有するようになりました。

永興3年（306年）3月、惤県の県令であった劉柏根が数万の兵を率いて反乱を起こし、自立して惤公と称しました。劉柏根は淄河に沿って侵攻し、司馬略は鎮軍将軍劉暾に迎撃を命じましたが、劉暾は敗北し洛陽へ敗走しました。さらに劉柏根は司馬略を攻め立て、司馬略は聊城へ逃走しました。その後、劉柏根は安北将軍王浚によって討伐されました。

永嘉元年（307年）1月、懐帝が即位すると、司馬略は使持節・都督荊州諸軍事・征南大将軍・開府儀同三司に任じられました。

永嘉2年（308年）には、襄陽を鎮守しました。京兆の流民であった王逌は、叟族の郝洛と結託して数千の兵を集め、冠軍に駐屯して城郭を侵犯しました。司馬略は参軍崔曠に将軍皮初・張洛らを率いさせて討伐を命じましたが、王逌の計略に嵌り敗北しました。そこで司馬略は改めて左司馬曹攄に崔曠らを統率させて王逌を攻撃させました。しかし、曹攄が王逌と交戦している最中に、後軍の崔曠は密かに撤兵してしまい、援護を失った曹攄は戦死しました。司馬略は崔曠を罪に問うことなく、三度崔曠に将軍韓松を率いさせて討伐に赴かせた結果、王逌は遂に降伏しました。

その後、昇進して開府・散騎常侍を加えられました。

永嘉3年（309年）に司馬略は亡くなり、侍中・太尉を追贈されました。子の司馬拠が後を継ぎました。

参考文献

* 『晋書』巻37 列伝第7

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