加藤充
加藤充は1934年3月3日、東京都に生まれ京都府で育ったベーシストです。「カッペちゃん」の愛称で親しまれ、サンズ・オブ・ウェストやザ・スパイダースといったバンドで活動しました。
音楽好きの母の影響で幼い頃にギター教室に通うも、単調な練習に馴染めず断念。その後は独学で音楽を学びます。
ウェスタンミュージックに傾倒し、同志社高校時代に同志社大学のカントリーバンド「ゲーリー石黒&サンズ・オブ・ウェスト」に欠員要員として加入。ギター、ベース、アコーディオンを担当し、米軍キャンプ等での演奏経験を積みました。同志社で親しんだ賛美歌経験が、曲の構成やコードが似ているウェスタン習得を容易にしたといいます。
同志社卒業によるメンバー脱退後、加藤は大学を中退してバンドを再編成。ウェスタンとハワイアンを中心に京阪神のジャズ喫茶やナイトクラブで活動を継続。この時期、後に著名となる大野克夫がメンバーに、西郷輝彦がバンドボーイとして在籍していました。小坂一也のバックを務めた縁で東京へも進出しますが、やがてバンドを解散し、家業を継ぐため寿司職人の修行に入ります。
寿司職人への道を歩み始めた矢先、ザ・スパイダースのベーシストが脱退したことで転機が訪れます。以前からの知り合いであった大野克夫やリーダーの田辺昭知から声がかかり、一旦は断るも、「2年間だけ」という約束で寿司修行を中断し上京。ザ・スパイダースに加入しました。当初は正式メンバーではなく、高木たかしや斉藤チヤ子、あるいは後に正式加入する前のかまやつひろしといった歌手のバックバンドとして活動。当時の公式プロフィールでは、実年齢より5歳若い経歴を公表していました。
加入後、加藤は田辺昭知の実家に下宿。同じく田辺宅に滞在し、スリー・ジェッツを経て正式メンバーとなったばかりの井上尭之にギターの基礎を指導しました。ザ・スパイダース後期、堺正章の俳優活動が活発になりバンド活動が停滞する兆しが見え始めると、加藤は大野、井上（尭之）とともにスタジオミュージシャンとしても活動を開始しました。
スパイダース解散後もスタジオミュージシャンとして活動を継続する予定でしたが、大野、井上がPYGに参加したため単独で活動。1971年には、かまやつのセカンドアルバム『どうにかなるさ アルバムNo.2』で全曲のベース演奏を担当するなど、腕達者なスタジオベーシストとして活躍しました。しかし、慣れないスタジオワークの世界に約3年で区切りをつけ、音楽業界から引退します。その後は、北原じゅんの事務所や北島音楽事務所の事業に携わり、加橋かつみの北島音楽事務所への移籍にも関与しました。さらに、アイ・ジョージのマネージャーを経て保険会社に転職。営業職で優れた成績を収め、スパイダース時代を上回る収入を得るほど成功を収めました。
音楽業界を離れていましたが、1981年1月に行われた「サヨナラ日劇ウエスタン・カーニバル」では、再結成したザ・スパイダースの一員としてステージに立ちました。保険会社を退職した1990年代以降、旧知の音楽関係者との連絡が途絶え、堺正章や井上順がテレビやラジオで消息を呼びかけることもありました。妻と義母を相次いで亡くしたことを機に練馬から所沢へ移住後、スパイダース再結成企画を機に演奏を再開（企画は中止）。2009年頃からは新所沢のライブスタジオを拠点に、ミュージシャンのオイリー北川らと交流し、GSイベントに積極的に参加。自身のバンド「カッペちゃんオールスターズ」を結成して定期的にライブ活動を行い、かまやつひろし、前田富雄（元スパイダース）、成田賢（元ザ・ビーバーズ）ら往年の仲間や後輩たちとも共演を果たしました。また、原宿クロコダイルや渋谷ラ・ママなど、各地のライブハウスにもゲスト出演するなど精力的な活動を展開しました。2018年6月には、ピーター&ゴードンのピーター・アッシャーとギタリストのアルバート・リーの来日公演に飛び入り参加し、ピーター&ゴードンのヒット曲『愛なき世界』を共演。これは1965年のピーター&ゴードン日本公演にスパイダースが前座で参加し、加藤が田辺とともにバックバンドを務めた旧知の縁によるものでした。
加藤は、銀座ACBに出演していたミック・ジョーンズ（後のフォリナーのギタリスト）のベースチューニング方法に強く影響を受け、それをスパイダースのメンバーにも広めました。バンド内では、物静かで穏やかな年長者としてメンバーを支える存在でした。スパイダースの人気が下降線をたどり始めた時期には、バンドのマネージャーに転向することを了承し、実際に短期間ながら元ジ・エドワーズの輿石秀之（後の大石吾朗）とメンバー交代を行ったこともあります。しかし、輿石がわずか1週間程度で辞退したため、この交代は「幻」に終わりました。
出演歴としては、テレビ『関口宏のびっくりトーク ハトがでますよ!』（1995年8月、スパイダースとして出演）や、ザ・スパイダース主演映画『ザ・スパイダースのゴーゴー・向う見ず作戦』(1967)他、計4本に出演しています。
音楽好きの母の影響で幼い頃にギター教室に通うも、単調な練習に馴染めず断念。その後は独学で音楽を学びます。
ウェスタンミュージックに傾倒し、同志社高校時代に同志社大学のカントリーバンド「ゲーリー石黒&サンズ・オブ・ウェスト」に欠員要員として加入。ギター、ベース、アコーディオンを担当し、米軍キャンプ等での演奏経験を積みました。同志社で親しんだ賛美歌経験が、曲の構成やコードが似ているウェスタン習得を容易にしたといいます。
同志社卒業によるメンバー脱退後、加藤は大学を中退してバンドを再編成。ウェスタンとハワイアンを中心に京阪神のジャズ喫茶やナイトクラブで活動を継続。この時期、後に著名となる大野克夫がメンバーに、西郷輝彦がバンドボーイとして在籍していました。小坂一也のバックを務めた縁で東京へも進出しますが、やがてバンドを解散し、家業を継ぐため寿司職人の修行に入ります。
寿司職人への道を歩み始めた矢先、ザ・スパイダースのベーシストが脱退したことで転機が訪れます。以前からの知り合いであった大野克夫やリーダーの田辺昭知から声がかかり、一旦は断るも、「2年間だけ」という約束で寿司修行を中断し上京。ザ・スパイダースに加入しました。当初は正式メンバーではなく、高木たかしや斉藤チヤ子、あるいは後に正式加入する前のかまやつひろしといった歌手のバックバンドとして活動。当時の公式プロフィールでは、実年齢より5歳若い経歴を公表していました。
加入後、加藤は田辺昭知の実家に下宿。同じく田辺宅に滞在し、スリー・ジェッツを経て正式メンバーとなったばかりの井上尭之にギターの基礎を指導しました。ザ・スパイダース後期、堺正章の俳優活動が活発になりバンド活動が停滞する兆しが見え始めると、加藤は大野、井上（尭之）とともにスタジオミュージシャンとしても活動を開始しました。
スパイダース解散後もスタジオミュージシャンとして活動を継続する予定でしたが、大野、井上がPYGに参加したため単独で活動。1971年には、かまやつのセカンドアルバム『どうにかなるさ アルバムNo.2』で全曲のベース演奏を担当するなど、腕達者なスタジオベーシストとして活躍しました。しかし、慣れないスタジオワークの世界に約3年で区切りをつけ、音楽業界から引退します。その後は、北原じゅんの事務所や北島音楽事務所の事業に携わり、加橋かつみの北島音楽事務所への移籍にも関与しました。さらに、アイ・ジョージのマネージャーを経て保険会社に転職。営業職で優れた成績を収め、スパイダース時代を上回る収入を得るほど成功を収めました。
音楽業界を離れていましたが、1981年1月に行われた「サヨナラ日劇ウエスタン・カーニバル」では、再結成したザ・スパイダースの一員としてステージに立ちました。保険会社を退職した1990年代以降、旧知の音楽関係者との連絡が途絶え、堺正章や井上順がテレビやラジオで消息を呼びかけることもありました。妻と義母を相次いで亡くしたことを機に練馬から所沢へ移住後、スパイダース再結成企画を機に演奏を再開（企画は中止）。2009年頃からは新所沢のライブスタジオを拠点に、ミュージシャンのオイリー北川らと交流し、GSイベントに積極的に参加。自身のバンド「カッペちゃんオールスターズ」を結成して定期的にライブ活動を行い、かまやつひろし、前田富雄（元スパイダース）、成田賢（元ザ・ビーバーズ）ら往年の仲間や後輩たちとも共演を果たしました。また、原宿クロコダイルや渋谷ラ・ママなど、各地のライブハウスにもゲスト出演するなど精力的な活動を展開しました。2018年6月には、ピーター&ゴードンのピーター・アッシャーとギタリストのアルバート・リーの来日公演に飛び入り参加し、ピーター&ゴードンのヒット曲『愛なき世界』を共演。これは1965年のピーター&ゴードン日本公演にスパイダースが前座で参加し、加藤が田辺とともにバックバンドを務めた旧知の縁によるものでした。
加藤は、銀座ACBに出演していたミック・ジョーンズ（後のフォリナーのギタリスト）のベースチューニング方法に強く影響を受け、それをスパイダースのメンバーにも広めました。バンド内では、物静かで穏やかな年長者としてメンバーを支える存在でした。スパイダースの人気が下降線をたどり始めた時期には、バンドのマネージャーに転向することを了承し、実際に短期間ながら元ジ・エドワーズの輿石秀之（後の大石吾朗）とメンバー交代を行ったこともあります。しかし、輿石がわずか1週間程度で辞退したため、この交代は「幻」に終わりました。
出演歴としては、テレビ『関口宏のびっくりトーク ハトがでますよ!』（1995年8月、スパイダースとして出演）や、ザ・スパイダース主演映画『ザ・スパイダースのゴーゴー・向う見ず作戦』(1967)他、計4本に出演しています。
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