加藤友三郎内閣

加藤友三郎内閣

加藤友三郎内閣は、加藤友三郎が第21代内閣総理大臣に就任し、1922年6月12日から1923年9月2日まで続いた内閣です。加藤は海軍大将であり、彼の在任中にいくつかの重要な施策が講じられました。特に、海軍大臣を兼任していたことから、軍縮政策が力強く推進されました。

内閣の発足と人事

この内閣は、前任の高橋内閣の崩壊を受けて発足しました。前内閣の総辞職は、原敬首相の暗殺が背景にアリ、高橋是清が急遽主導を務めたものの、彼自身も政党内の調整が困難で、結局辞任に至りました。加藤友三郎の首相就任は、元老たちの意向により決定され、軍人でありながら薩長出身でない首相が誕生するのは初めてでした。

内閣の構成には、内田康哉が外務大臣を務めるなど、さまざまな分野の専門家が揃えられました。この内閣は、加藤友三郎の指導のもとで440日間在職しましたが、彼は持病の悪化により1923年に死去し、内田がその後を臨時で引き継ぎました。

政策の推進

加藤内閣の最大の特徴は、軍縮政策でした。ワシントン海軍[[軍縮条約]]に従い、14隻の主力艦を廃止し、いくつかは航空母艦に改造されました。この取り組みは陸軍にも影響を及ぼし、5個師団の削減やシベリア出兵の中止が決定されるなど、全体の軍備縮小を促しました。余剰となった予算は、装備の近代化や国債の償還に充てられました。

しかし、加藤内閣はすべてが順調だったわけではありません。特に普選に関しては、水野錬太郎内務大臣を委員長とする「衆議院選挙法委員会」を設立し、普通選挙法案を議会に提案したものの、与党側からの強い反発により否決されました。

協議とその後

加藤内閣はまた、陪審法の成立にも尽力しましたが、彼の死去によって多くの施策は未完のままとなりました。最終的に、1923年8月に加藤が亡くなると、内閣は総辞職し、その後の政権は内田康哉が臨時で引き継ぎました。内田は必要な業務を続ける一方で、後を継いだ山本権兵衛の新内閣形成を手助けしましたが、その最中に関東大震災が発生し、国内の政治状況は一変しました。

結論

加藤友三郎内閣の任期は、短いものでしたが、その政策や時代背景は後の日本の政治に多大な影響を与えました。彼の下で進められた軍縮や制度改革は、昭和時代の軍事・経済政策の根幹となる要素を含んでおり、日本の歴史における重要な転換期の一つとなりました。ことに、海軍の強化を図ってきた時代から、より合理的かつ国際的な枠組みに進む過渡期を実感させるものとなったのです。

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