加藤明邦

加藤明邦：近江水口藩の第七代藩主

加藤明邦（かとう あきくに）は、文化5年（1808年）に生まれ、近江水口藩の第7代藩主を務めた人物です。水口藩加藤家11代当主としても知られています。

生涯

文化5年（1808年）6月29日、第8代藩主・加藤明允の長男として江戸で生を受けました。文化12年（1815年）9月27日、父の死去に伴い家督を継承し、第9代藩主となります。文政6年（1823年）10月1日には将軍徳川家斉に拝謁し、同年12月6日には従五位下佐渡守に叙任されました。その後、文政9年（1826年）7月26日に能登守に遷任しています。

藩政においては、百姓一揆や強訴が相次ぎ、その鎮圧に尽力しました。文政7年4月2日には日光祭礼奉行を命じられ、天保2年（1831年）2月2日には大坂加番を命じられています。弘化元年（1844年）には江戸城本丸修理のために2500両を献上するなど、幕府への貢献も見られました。弘化2年（1845年）2月5日、次男の明軌に家督を譲り、隠居しました。

隠居後は、文化人としての側面を強め、陶器作りや能楽、俳句などを嗜む風流な生活を送ったと伝えられています。安政3年（1856年）11月2日に49歳で死去しました。

系譜

父母

父：加藤明允
母：松平忠告の娘

正室

泰：松平直寛の娘

側室

宮
岩
麻
志津
蔵
藤
糸
仲
千代
浪

子女

加藤明軌（次男）：母は宮（側室）
加藤光禄（五男）：母は蔵（側室）
加藤明世（六男）：母は千代（側室）
加藤明実（七男）：母は千代（側室）
稲葉正凝（十二男）：稲葉正邦の養子、母は千代（側室）
冷泉為行室：母は岩（側室）
稲田植乗室：母は志津（側室）

加藤明邦は、藩主としての責務を果たす傍ら、文化的な活動にも積極的に取り組み、多彩な才能を発揮した人物として、その名が残されています。

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