労働の解放をめざす労働者党

労働の解放をめざす労働者党：日本の新左翼政党の軌跡

2017年4月、マルクス主義同志会を母体として結成された「労働の解放をめざす労働者党」（略称：労働者党）は、日本の新左翼政党です。本党は、社会主義実現を目指し、労働者の解放を究極の目標として掲げています。

歴史と変遷

労働者党のルーツは、1984年結成の「社会主義労働者党」に遡ります。その後、「マルクス主義同志会」と改称し、2017年に現在の党名で再出発を飾りました。長年に渡り、党の代表を務めたのは林紘義氏です。2021年からは田口騏一郎氏が代表を引き継いでいます。機関紙として『海つばめ』（隔週刊）と『プロメテウス』（不定期）を発行し、東京都練馬区にある全国社研社を活動拠点としています。

選挙活動

2017年の衆議院議員総選挙では、神奈川県第11区に圷孝行氏を擁立しましたが、落選という結果に終わりました。2019年の参議院議員通常選挙では、選挙区6名、比例区4名を擁立しましたが、いずれも落選しました。

党の綱領と思想

労働者党の綱領は、全世界における社会主義の勝利を究極の目標、日本における社会主義の実現を直接の目的としています。特徴的なのは、「社会主義」の代わりに「労働の解放」という言葉を党名や綱領で強調している点です。これは、より深い労働者解放の理念を追求する姿勢を示しています。

綱領では、現代社会を帝国主義体制下にあると捉え、日本の労働者階級の目標を社会主義革命と位置付けています。社会主義の実現においては、ブルジョアジーの階級支配の廃絶、あらゆる差別（人種、民族、身分、性など）の撤廃を掲げています。

闘争手段としては、宣伝や啓蒙に加え、労働者の階級闘争を重視しますが、暴力闘争を否定しています。階級闘争の発展のために、宣伝、啓蒙、組織化を重要な契機と考えています。

他政党への見解

労働者党は、他政党についても独自の視点で評価しています。自民党を大独占の反動政党、公明党を小ブルジョア反動政党と位置付け、民主党・民進党はブルジョア第二党と批判しています。社民党は平和主義的で無力なプチブル党、日本維新の会はファシズム的体質を持つ反動的な政党、日本共産党は小ブルジョア民族派でありスターリニズムの党として批判しています。さらに、新左翼は小ブルジョア的反動性を持ち、内ゲバやテロリズムに堕落したと厳しく評価しています。

具体的な政策要求

労働者党は、具体的な政策要求として、搾取労働・差別労働の廃止、労働運動への抑圧排除、選挙制度改革、差別撤廃、天皇制の廃止、医療・介護の無償化、公的保育の充実、独占資本の規制、軍事費削減、農業生産の組織化、原発事業の廃絶、土地の国有化、軍事同盟の廃棄などを掲げています。

まとめ

労働の解放をめざす労働者党は、明確な社会主義理念と具体的な政策要求を持つ、日本の新左翼政党です。他の左翼政党とは異なる独自の視点と主張を持っており、日本の政治において独特の存在感を示しています。今後もその活動に注目が集まるでしょう。

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