労農党 (1929-1931)

労農党（新労農党）

労農党（ろうのうとう）は、1929年11月に結成され、1931年7月まで存続した日本の無産政党です。一般には、1926年に成立した旧労農党と区別して「新労農党（しんろうのうとう）」と呼ばれます。この政党は、旧労農党が結社禁止になった後、再建を目指して旧幹部の大山郁夫らによって創設されました。

概要

旧労農党は、無産政党として最大の党勢を誇っていましたが、三・一五事件を受けて結社を禁止されました。これにより、大山とその仲間は新たな合法的な無産政党を作ることを決意しました。しかし、結党の過程で日本共産党（第二次共産党）との対立が生じ、「解消運動」によって内部の混乱が続くなど、党の力は弱まっていきました。最終的には中間派との合同を目指し、全国労農大衆党に統合される形で解党しました。

沿革

労農党の結党は、1928年の三・一五事件後に始まりました。旧労農党が「日本共産党の外郭団体」と見なされて禁止された後、大山らは新党の結成を考えましたが、コミンテルン第6回大会で合法的な労働者・農民政党の結党が否定されました。この決議により、共産党は労農党再建を否定。結成大会は当局によって解散させられ、新党準備会は政獲同盟に転換しました。

その後、新労農党樹立を提案し、1929年11月1日に大山を委員長、細迫を書記長とする新しい政党が設立されました。

新労農党の選挙と内部分裂

新労農党は1930年に行われた第17回衆議院議員総選挙において、大山や河上肇を立候補させましたが、選挙は厳しいものでした。当時、共産党系の勢力からは激しい中傷が行われ、大山は「大山師」と呼ばれるなど困難な状況に置かれました。結果として、新労農党の当選者は大山だけで、得票数も極めて少なく、党勢は大きく揺らぎました。

コミンテルンによる新労農党の否定が影響を及ぼし、党内部では混乱が続きました。小岩井浄や河上肇との対立も顕著になり、結果的に党は分裂状態に陥りました。

合同と解党

最終的な解消運動は、党内の左派勢力を強化しようとする試みでしたが、逆に中間派の影響力を高める結果に終わりました。1931年7月5日、中間派の全国大衆党と合流し、全国労農大衆党が結成され、新労農党は解散しました。

現在の日本共産党は、当時の政策が誤りだったと認めています。このように、新労農党の歴史は短期間でありながらも、日本の政治における無産党の理念や内部の対立を浮き彫りにしています。

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