勝山盆地

勝山盆地

勝山盆地は、福井県の嶺北地方北東部に位置し、大野盆地に隣接する河谷盆地、または谷底平野です。勝山市とその周辺地域を包含し、広義には大野盆地の一部とみなされることもあります。

地形の特徴

盆地の主要な河川である九頭竜川は、勝山市下荒井付近で合流した後、北西へ、そして西へと流路を変えます。盆地を構成する地形は、扇状地、河岸段丘、氾濫原に分類されます。九頭竜川の支流である岩屋川、滝波川、暮見川、浄土寺川、女神川沿いには扇状地が発達しており、河川沿いには河岸段丘も見られます。また、鹿谷川や坂瀬川の流域では、袋状の堆積谷が形成されています。

九頭竜川の氾濫原は、狭隘部である下荒井付近では幅約500mですが、妙金島の堀名と保田間では最も広い約1800mに達し、中膨らみの形状をしています。九頭竜川の両岸には河岸段丘が発達しており、特に右岸には2段から3段の段丘が見られます。勝山市街地を貫く段丘崖は「七里壁」と呼ばれています。

かつて九頭竜川は谷底平野を蛇行しながら網状の流路を形成していたと考えられており、氾濫原には中州が発達し、その上に集落が形成されています。

1970年に勝山市若猪野で行われた井戸掘削調査では、150m掘削しても岩盤層に達しなかったことから、盆地の底には厚い洪積層が堆積していると推測されています。

産業と文化

勝山盆地では、稲作が盛んに行われており、その他にも水菜、サトイモ、イチゴなどの特産品があります。また、1988年に勝山市北谷町で恐竜の化石が発見されたことから、化石発掘の地としても有名です。

関連情報

恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク: 勝山盆地を含む地域は、地質学的にも貴重な場所であり、ジオパークとして認定されています。
福井県立恐竜博物館: 勝山市に位置する恐竜専門の博物館で、勝山盆地で発掘された恐竜化石が展示されています。

参考資料

角川日本地名大辞典編纂委員会編『角川日本地名大辞典 18 福井県』角川書店、1989年、ISBN 4-04-001180-5
『勝山市史 第1巻 風土と歴史』1974年

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