勝田主計

勝田主計の生涯と業績

勝田主計（しょうだ かずえ）は、1869年に愛媛県松山市に生まれ、大蔵官僚、政治家として日本の近代史に残る重要な人物です。松山藩士・勝田久廉の五男として生まれた彼は、勝山学校、伊予尋常中学を経て、最終的には東京帝国大学法科大学を卒業しました。1895年に大蔵省に入省し、主税局に所属しました。

幕開けの職務と海外派遣

勝田は1901年6月、函館税務管理局長兼税関長に任命され、その後の2年間はヨーロッパに派遣され、関税法に関する調査に従事しました。この経験は、彼の財政に関する知識を深める助けとなりました。その後、大蔵次官を経て、1914年には貴族院の勅選議員に選ばれました。

政治家としての道

大正4年（1915年）には朝鮮銀行の総裁に就任し、寺内内閣では初めて大蔵大臣を務めました。年間に約1億4500万円という巨額の資金を調達し、段祺瑞政権の政治資金として使用されましたが、結局その回収には失敗し、帝国議会から厳しい非難を浴びました。こうした出来事は彼の政治キャリアに影を落とすこととなります。

また、大正7年には清浦内閣でも大蔵大臣を務め、田中義一内閣では文部大臣に任命されました。彼の政治的影響力は着実に拡大していきましたが、1946年には公職から追放され、貴族院議員の資格を失いました。

辞退とその理由

第2次近衛内閣では安井英二の後任内務大臣に一旦は内定されたものの、内務省の出身でないことが問題視され、昭和天皇の意向に従い辞退しました。また鈴木貫太郎内閣でも大蔵大臣候補になったものの、高齢を理由に辞退しました。代わりに娘婿の広瀬豊作がその職を引き継ぎ、勝田自身は後見として関与しました。

栄誉と功績

勝田はその功績が認められ、様々な栄典を受けました。1914年には正四位を授与され、旭日重光章や勲一等瑞宝章などの勲章も多数受けています。また、外国からも大韓帝国の勲二等太極章を受け取るなど、国際的な評価も受けていました。

家族と親族

勝田はイヨ夫人との間に5男7女をもうけましたが、長男と三男が早世したため、次男の浩が家を継ぎました。彼の四男、龍夫は文筆家としても有名で、さらに日本債券信用銀行の頭取も務めました。勝田家はまた、著名な家族や財界人との関係も持つなど、政治的・経済的な基盤を築いていました。

勝田主計の生涯は日本の大蔵行政の発展に重要な役割を果たしたことは言うまでもなく、彼の取り組みは次の世代の政治家や官僚たちに影響を与え続けています。彼の名前は、日本の近代史における重要な人物の一人として長く記憶されるでしょう。

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