北バチュカ郡

北バチュカ郡（セルビア語: Севернобачки округ, Severnobački okrug）は、セルビア北部、ヴォイヴォディナ自治州に位置する郡です。ハンガリー語ではÉszak-bácskai körzet、クロアチア語ではSjevernobački okrug、スロバキア語ではSeverobáčsky okres、パンノニア・ルシン語ではСивернобачки окрух、ルーマニア語ではDistrictul Bacica de Nordと表記されます。

基礎自治体

北バチュカ郡は、以下の3つの基礎自治体で構成されています。

スボティツァ（Subotica）（ハンガリー語: Szabadka）
バチュカ・トポラ（Bačka Topola）（ハンガリー語: Topolya）
マリ・イジョシュ（Mali Iđoš）（ハンガリー語: Kishegyes）

これらの基礎自治体は、さらに45の市町村に分かれています。

民族構成

北バチュカ郡は、多様な民族が共存する地域です。2002年の国勢調査によると、主な民族構成は以下の通りです。

ハンガリー人: 87,181人 (43.56%)
セルビア人: 54,856人 (27.4%)
クロアチア人: 17,227人 (8.6%)
ブニェヴァツ人: 16,454人 (8.22%)
ユーゴスラビア人: 9,488人 (4.74%)

南スラヴ系の民族（セルビア人、クロアチア人、ブニェヴツィ人、ユーゴスラビア人）の合計は98,025人で、全体の約48.96%を占めています。バチュカ・トポラとマリ・イジョシュではハンガリー人が過半数を占めており、スボティツァではハンガリー人、セルビア人、クロアチア人、ブニェヴァツ人、ユーゴスラビア人などが混在しています。45の市町村のうち、ハンガリー人が多数を占めるのが20、セルビア人が多数を占めるのが16、クロアチア人またはブニェヴァツ人が多数を占めるのが7、そして複数の民族が混在しているのが2となっています。

言語

北バチュカ郡で使用されている主な言語は以下の通りです。

ハンガリー語: 88,464人 (44.20%)
セルビア語: 88,323人 (44.13%)
クロアチア語: 9,106人 (4.55%)

南スラヴ系の言語（セルビア語、クロアチア語など）の話者数は合計で97,429人となり、全体の約48.68%を占め、ハンガリー語話者とほぼ拮抗しています。

宗教

北バチュカ郡における主な宗教は以下の通りです。

ローマ・カトリック: 117,456人 (58.69%)
正教: 55,028人 (27.50%)
プロテスタント: 9,844人 (4.92%)

郡の中心都市であるスボティツァは、多様な宗教と民族が共存する場所です。カトリックが多数を占めますが、正教やその他30以上の小規模な宗教共同体も存在します。重要な宗教的建造物としては、1797年から存在するアビラのテレサ聖堂や、1723年から存在するフランシスコ会修道院、そして18世紀からの正教教会などが挙げられます。

経済

北バチュカ郡は、豊かな農産物資源に恵まれた地域であり、食品加工業が発達しています。29 novembarなどの食肉加工会社や、PionirやFidelinkaなどの製菓、パン、小麦製造会社などが立地しています。これらの企業は地域経済の重要な柱となっています。


多様な文化と豊かな自然が共存する北バチュカ郡は、セルビア北部の重要な地域の一つです。

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