北上町

宮城県北上町：北上川河口の自然と歴史が織りなす港町

北上町は、宮城県北東部、太平洋に面した町でした。2005年4月1日、石巻市に合併されるまで、北上川河口に位置し、豊かな自然と歴史に彩られた独自の文化を持つ地域として栄えました。

自然環境

町の面積の70％以上を山林が占め、海岸部は南三陸金華山国定公園に指定されるなど、自然豊かな環境でした。翁倉山(532m)や高津森(430m)などの山々が連なり、北上川、皿貝川といった河川が流れ、鞍掛島、双子島、黒島といった島々も存在しました。年間平均気温は11.3℃(2001年)、年間降水量は751.5mm(2001年)、年間日照時間は2042.2時間(2001年)と、温暖な気候に恵まれていました。北上川河口のヨシ原は、日本の音風景100選にも選ばれており、独特の景観と自然の音色が特徴でした。

歴史

町内からは、泉沢貝塚など縄文時代の遺跡が発見されており、出土した土器や貝類から、古くから人々が豊かな海産物を利用していた様子が伺えます。天平宝字年間以降は、中部や関東からの移民や蝦夷の開墾が進み、次第に町が発展していきました。

鎌倉時代には奥州合戦が勃発。奥州藤原氏四男の藤原高衡が支配した後、相模の豪族である山内首藤氏が11代にわたってこの地を治めました。その後、葛西氏、木村氏と領主が変わり、最終的には伊達政宗の支配下となりました。江戸時代には仙台藩の支配を受け、十三浜、橋浦、長尾、女川の4ヶ村から構成されていました。

社会・経済

明治22年(1889年)の市[[町村]]制施行により、橋浦村と十三浜村が成立。昭和30年(1955年)に両村が合併し北上村となり、昭和37年(1962年)には町制施行により北上町となりました。昭和38年(1963年)には宮城県の酪農団地育成地に指定されています。

産業構造としては、第一次産業(農業など)従事者が319人(14.9%)、第二次産業(工業など)従事者が1000人(46.8%)、第三次産業(サービス業など)従事者が816人(38.3%)(2004年時点)と、第二次産業が中心でした。2004年7月31日時点での世帯数は1,125世帯でした。教育施設としては、高等学校に宮城県飯野川高等学校十三浜校、中学校に北上町立相川中学校と北上町立北上中学校、小学校に北上町立相川小学校、北上町立吉浜小学校、北上町立橋浦小学校が存在しました。

交通

町内には鉄道路線はありませんでした。最寄りの駅はJR気仙沼線陸前戸倉駅でした。道路としては、国道398号、宮城県道64号北上津山線、宮城県道197号北上河北線が通っていました。

文化・観光

釜谷の渡し跡や飯田屋敷跡などの歴史的史跡、丸山地蔵尊、釣石神社、鹿島神社(ビール神社)、金比羅崎などの観光スポットが存在しました。白浜海水浴場や白浜キャンプ場などのレジャー施設も整備されていました。熊野神社春季例祭、釣石神社春季例祭など、多くの祭りやイベントが開催され、地域住民の交流の場となっていました。有名な出身者には、佐々木幸男（歌手）などがいます。

まとめ

北上町は、豊かな自然と歴史、そして独自の文化が調和した町でした。2005年の合併により石巻市の一部となりましたが、その歴史と文化は、現在も石巻市の発展に貢献していると言えるでしょう。

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