北京地下鉄大興機場線

北京地下鉄大興機場線は、北京市豊台区の草橋駅と大興区の大興機場駅を結ぶ空港連絡鉄道です。北京大興国際空港へのアクセスを飛躍的に向上させるために建設されました。

概要

大興機場線の最高速度は時速160キロメートルで、草橋駅から大興機場駅までの所要時間は約22分です。草橋駅では10号線に乗り換えることができ、市内中心部からのアクセスも便利です。2019年9月26日に北京大興国際空港の開港に合わせて開業しました。

大興機場線の特徴は、全列車が自動列車運転装置（ATO）を用いた完全自動運転であることです。中国国内において、最高速度が時速160キロメートルの路線で完全自動運転が採用されたのは初の事例となります。これにより、安全性と効率性が向上し、安定した運行が実現しています。

駅一覧

大興機場線には、以下の駅があります。

草橋駅
麗沢商務区駅（未開業）
大興機場駅
大興機場南駅（未開業）

麗沢商務区駅と大興機場南駅は、2024年現在未開業です。今後の開業が期待されています。

車両

大興機場線に導入された車両は、中国国鉄で使用されているCRH6型を基に設計された電車です。CRH6型は、最高時速160キロメートルで走行可能なCRH6F型をベースに、空港連絡鉄道としての機能が強化されています。製造は中国中車青島四方機車車輛が行いました。

編成は8両編成（4M4T）と4両編成（2M2T）があり、編成定員は1,538人です。手荷物専用の先頭車を除いた座席車7両には、それぞれ64人分の座席（クロスシート）が設置されています。また、深圳地下鉄11号線と同様に、ビジネスクラス（商務車廂）も設置されており、快適な移動が可能です。

全自動運転制御方式を採用しており、営業運転時はもちろんのこと、車庫からの入庫・出庫も自動運転によって行われます。ただし、非常時に備えて各先頭車には運転台が設置されています。また、冗長性を持たせるために集電装置や主回路は二重に設けられており、万が一の故障時にも安全な運行が確保されています。

大興機場線は、北京大興国際空港へのアクセスを向上させるだけでなく、中国の鉄道技術の発展を示すものでもあります。今後、沿線地域の開発とともに、ますます重要な役割を担うことが期待されます。

関連項目

中華人民共和国の鉄道
空港連絡鉄道

もう一度検索