北京地下鉄DKZ13型電車

北京地下鉄DKZ13型電車

北京地下鉄5号線で活躍するDKZ13型電車は、6両編成（3M3T）で構成され、2007年10月7日に運行を開始しました。この電車は「北京地下鉄TP4000系電車」という別名も持っています。

概要

DKZ13型は、長春軌道客車と北京地鉄車両装備（旧北京地鉄車輛廠）によって製造されました。合計61編成（TP401～TP461）が存在し、各車両には4つの電気内蔵ドアが設置されています。編成の両端には非常口が設けられています。編成番号TP401～TP421とTP433～TP451は長春軌道客車が、TP422～TP432とTP452～TP461は北京地鉄車輛廠が製造を担当しました。

車体

DKZ13型の車体は、衝突時の安全性を考慮した設計が施されています。25km/hで静止している別の列車に衝突した場合でも、乗務員と乗客の安全が確保され、車体の損傷を最小限に抑えることができます。車体端部にはエネルギー吸収機能が備わっており、衝突時の衝撃エネルギーを軽減し、乗客へのリスクを最小限に抑えるよう設計されています。

車内には、車椅子スペースや優先席（高齢者、子供、体の不自由な方、妊婦向け）が設けられています。通路ドアは乗客の移動をスムーズにし、乗車率の向上に貢献しています。また、車内には液晶モニターが設置されており、駅名などの情報がリアルタイムで表示されます。緊急時には、乗客が緊急警報システムを使用して乗務員と連絡を取り、状況を迅速に解決できるようになっています。さらに、車内には液晶テレビが設置されており、様々な情報が提供されています。

機器類

制御装置は日立製作所の設計を基にしており、2レベルIGBT素子VVVFインバータ（VFI-HR2420E型、容量：2×700 kVA）が採用されています。機器配置は北京地下鉄13号線のDKZ5・DKZ6形に類似した「長手箱構造」で、車体片側からメンテナンスが可能です。1編成あたり3基のインバータが搭載されており（2・4・5号車）、走行音は近鉄21シリーズの日立インバータ搭載車に似ています。

VVVFインバータ装置の主回路システムは、2個のモーターを並列制御する方式（1C2M2群）を採用しており、1～3位および2～4位の駆動モーターに独立して電力を供給します。速度センサーレスベクトル制御と全電気ブレーキ停止制御技術により、応答速度が向上し、回生率と粘着性能が向上しています。

補助電源装置も日立製作所の設計によるもので、160 kVAの2レベル静止形インバータ（SVI-H116A型）が1編成あたり2基（1・6号車）搭載されています。並列給電制御方式を採用しており、集電装置が第三軌条のセクションを通過する際に片側の補助電源装置が停電した場合でも、列車全体への電力供給を維持できます。2台の静止形インバータが正常に動作している場合は、負荷分担情報を共有し、最適な電力を供給します。1台が故障した場合でも、もう1台が6両編成全体の負荷を賄うことができます。

一次車（TP401～TP439）の機器は日立製作所製、二次車（TP440～TP461）は西安永済日立電気設備がライセンス生産しています。

冷房装置は、一次車が日立製作所製、二次車が新誉軌道交通科技製で、薄型ユニット式が採用されています。1編成あたり12基（各車両2基）搭載されており、屋根上に設置されています。

保安装置は、導入当初はWestinghouse Brake and Signal Company Ltd製のTBS100（TBTC方式）でしたが、故障が多発したため、2019年4月から2020年3月にかけて、北京交控科技股份有限公司製のLCF300（CBTC方式）に更新されました。

編成

6両編成で、両端の先頭車が制御車、中間車3両が電動車、1両が付随車という構成です（MT比3M3T）。

凡例

SIV：補助電源装置（静止形インバータ）
CP：電動空気圧縮機

改造

2020年7月8日から順次、工場での改修工事が実施されており、客室内の電子地図の更新、車椅子固定装置の改良、座席への電気ヒーター設置などが含まれます。最初に改修されたのはTP401編成です。

TP401編成では、VVVFインバータが国産化され、中車青島四方車両研究所製のSRTSP 71P 500011型IGBT-VVVFインバータに換装されました。

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