北川辺町

北川辺町（きたかわべまち）

北川辺町は、かつて埼玉県の北東端に位置していた、人口約1万3千人の町です。北埼玉郡に属し、埼玉県内でありながら、茨城県、群馬県、栃木県の3県と接していました。特に茨城県古河市との結びつきが強く、電話料金区域も古河市と同じでした。

地理と特徴

北川辺町は、利根川の左岸（北側）に位置し、「利根川の北の川辺の町」という説があります。町域は利根川、渡良瀬川、谷田川などに囲まれた低地で、度重なる水害に悩まされてきました。そのため、集落は自然堤防上に発達し、水塚や構え堀といった水害対策が施されていました。これらの特徴から、輪中の町として知られています。また、渡良瀬遊水地の玄関口であり、絶滅危惧種であるオニバスの自生地でもありました。

歴史

北川辺町の歴史は、江戸時代の利根川東遷事業に深く関わっています。利根川と渡良瀬川が接続されたことで、この地域は遊水地帯となり、水害が頻発するようになりました。明治時代には、いくつかの村が合併して利島村や川辺村となり、その後、1955年に合併して北川辺村となりました。1971年には町制を施行し、北川辺町となりました。

町内には、1869年に古河藩に属していましたが、1871年に埼玉県が設置されると埼玉県に編入されました。その後、学校の開校や鉄道の開通、橋の建設などが行われ、社会基盤が整備されていきました。

2010年には、加須市、大利根町、騎西町との合併により、新たに加須市となり、北川辺町としての歴史は幕を閉じました。

文化と経済

北川辺町は、水害との闘いの中で独自の文化を育んできました。水塚や揚げ船といった水害対策の遺構が残っており、歴史を物語っています。農業が盛んで、特に「北川辺こしひかり」は特産品として知られています。また、トマトも特産品で「木甘坊」という愛称で流通しています。産業構造は、第一次産業が10.2%、第二次産業が37.0%、第三次産業が52.8%となっています。

合併と現在

2010年の合併により、北川辺町は加須市の一部となりました。しかし、北川辺の地域は、その歴史と文化を今もなお受け継いでいます。渡良瀬遊水地は、ラムサール条約登録湿地として国際的にも重要な場所であり、自然と歴史が共存する地域として、多くの人々に親しまれています。

主な施設

中央浄水場
国保診療所
保健センター・地域包括支援センター
学校給食センター
生涯学習センター「みのり」
町立図書館
あやめ苑
ライスパーク
スポーツ遊学館
物産販売施設「いな穂」
中央公民館
町民体育館
郷土資料館
福祉センター

交通

鉄道
東武日光線：新古河駅 - 柳生駅
道路
国道354号
埼玉県道9号佐野古河線
埼玉県道46号加須北川辺線
埼玉県道368号飯積向古河線
埼玉県道415号柳生停車場線
道の駅かぞわたらせ

名所・旧跡・観光スポット

渡良瀬遊水地
遊学館
オニバス自生地
旧川ふるさと公園
ライスパーク
栃木・群馬・埼玉の三県境

出身有名人

田口和美（解剖学研究者）
柏戸村右衛門（初代柏戸）
石川亨（第25代統合幕僚会議議長）
松橋功（元JTB会長）
山岸一平（元日本経済新聞社専務）
山中信人(津軽三味線奏者)

北川辺町を舞台にした作品

不在（2005年、宮沢章夫）

その他

水の郷百選
水輪のまち きたかわべ
* 水塚

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