北斗龍定裕
北斗龍 定裕（ほくとりゅう さだひろ）は、1971年3月16日に北海道函館市で生まれた元大相撲力士です。本名を丸山 定裕といい、身長181cm、体重121kgという体格でした。最高位は東三段目53枚目です。
幼少期は五稜郭から程近い住宅街で育ち、特に相撲が盛んな地域ではありませんでした。小学校高学年頃から体格が大きくなり始めますが、身軽さが求められる野球やサッカーには向かず、中学時代は柔道に励みます。しかし、自身では特に秀でていたわけではないと語っています。
郷里の先輩である大横綱・北の湖のスカウトを断ることができず、相撲界への入門を決意します。1986年3月場所で初土俵を踏み、同期には後に師弟関係となる巌雄らがいました。彼は、1985年12月に独立した北の湖部屋にとって最初の力士でした。初めて番付に名前が載った翌場所から、本名の丸山から北斗龍に改名します。
入門後、番付を上げ、1992年7月場所で三段目に昇格します。1995年5月場所では自己最高位となる東三段目53枚目まで番付を上げますが、翌場所には三段目から陥落し、以降は序ノ口と序二段を行き来する時期が続きました。
力士生活の中で、彼は度重なる困難に直面します。1998年には稽古中に首を痛め、むちうち症を患いました。数場所稽古を休むことを余儀なくされ、復帰後も再び首を痛めた際、兄弟子であった小野川（元蜂矢）からの助言もあり、稽古量を減らして部屋のチャンコ長に専念することになります。彼は引退後、むちうちになっても相撲を続け、チャンコ番として部屋に貢献できたのは、北の湖親方の人徳や懐の深さがあったからだと感謝の念を語っています。チャンコ長としては、北の湖親方から湯豆腐や冷やし中華をよくリクエストされていたそうです。
また、勇み足による敗戦が多い力士としても知られ、「ミスター勇み足」の異名を取りました。2011年7月場所の時点で、大筑波、智貴山と並ぶ当時の史上1位タイ記録を持っていましたが、後に華吹、千代青梅、櫻といった他の力士によって記録は更新され、最終的には3位タイの記録となりました。
40代に入ってからは糖尿病にも苦しみます。むちうち症で力士としての限界を感じて以降も稽古を続けていましたが、稽古中にできた左足親指の傷の処置が不十分だったため化膿し、結果的に右足親指が壊死し切断することとなりました。2014年3月場所後に手術を受け、翌5月場所で入門以来28年目にして初めての休場（全休）を経験します。これにより、継続していた連続出場記録1169が止まりました。これは当時の現役力士の中で最高記録、幕下以下のみでは歴代最高記録でした。続く7月場所も全休したため、9月場所では初土俵以来初めて番付外に転落しました。
しかし、彼はこの場所から復帰し、43歳という異例の高齢で前相撲に出場します。2勝4敗と勝ち越せず再出世は通常より遅れましたが、これは2005年に梓弓俊作が記録した30歳を大幅に更新する最高齢前相撲出場記録となりました。さらに、2015年7月場所直前には右足中指を切断し、この場所も全休しました。生涯の休場はこの3場所のみでした。
長年の目標は、師匠である北の湖親方が定年を迎えるまで現役を続けることでした。しかし、北の湖親方は2015年11月場所中に理事長の職務中に急逝し、その目標は叶いませんでした。師匠が亡くなった日には、自身のその場所の7番相撲を終えており、その後は報道陣への対応に専念したといいます。北の湖部屋は、部屋付きだった20代山響（元巌雄）が師匠を継承し、山響部屋と改称されましたが、北斗龍は引き続き同部屋に所属しました。
北の湖親方の一周忌までは現役を続けると改めて決意し土俵に上がり続けましたが、一周忌が明けた直後の2017年1月場所、東序二段57枚目で迎えた場所で、30年以上に及ぶ力士生活で初めてとなる7戦全敗を喫します。本人はこれをきっかけに「気持ち的に」引退を決意したと語っています。翌3月場所では4勝3敗と勝ち越し、この場所を最後に現役を引退しました。彼の引退により、同期の華吹が昭和時代に初土俵を踏んだ最後の現役力士となりました。
通算成績は577勝690敗21休。通算在位場所数は186場所で、これは大相撲史上4位の記録です。
引退後は、福岡市内で知人が経営するから揚げ店に勤務しています。足の状態から座って作業していますが、仕事ぶりや接客能力は店主から高く評価されており、将来は店を任せたいと期待されています。彼は、力士としてだけでなく、一人の人間としても多くの人々に支えられ、その真面目さと誠実さで引退後も新たな道を歩んでいます。
主な成績
通算成績：577勝690敗21休（186場所）
通算在位186場所は史上4位
改名歴
丸山 定裕（まるやま さだひろ） 1986年3月場所
北斗龍 定裕（ほくとりゅう さだひろ） 1986年5月場所 - 2017年3月場所
幼少期は五稜郭から程近い住宅街で育ち、特に相撲が盛んな地域ではありませんでした。小学校高学年頃から体格が大きくなり始めますが、身軽さが求められる野球やサッカーには向かず、中学時代は柔道に励みます。しかし、自身では特に秀でていたわけではないと語っています。
郷里の先輩である大横綱・北の湖のスカウトを断ることができず、相撲界への入門を決意します。1986年3月場所で初土俵を踏み、同期には後に師弟関係となる巌雄らがいました。彼は、1985年12月に独立した北の湖部屋にとって最初の力士でした。初めて番付に名前が載った翌場所から、本名の丸山から北斗龍に改名します。
入門後、番付を上げ、1992年7月場所で三段目に昇格します。1995年5月場所では自己最高位となる東三段目53枚目まで番付を上げますが、翌場所には三段目から陥落し、以降は序ノ口と序二段を行き来する時期が続きました。
力士生活の中で、彼は度重なる困難に直面します。1998年には稽古中に首を痛め、むちうち症を患いました。数場所稽古を休むことを余儀なくされ、復帰後も再び首を痛めた際、兄弟子であった小野川（元蜂矢）からの助言もあり、稽古量を減らして部屋のチャンコ長に専念することになります。彼は引退後、むちうちになっても相撲を続け、チャンコ番として部屋に貢献できたのは、北の湖親方の人徳や懐の深さがあったからだと感謝の念を語っています。チャンコ長としては、北の湖親方から湯豆腐や冷やし中華をよくリクエストされていたそうです。
また、勇み足による敗戦が多い力士としても知られ、「ミスター勇み足」の異名を取りました。2011年7月場所の時点で、大筑波、智貴山と並ぶ当時の史上1位タイ記録を持っていましたが、後に華吹、千代青梅、櫻といった他の力士によって記録は更新され、最終的には3位タイの記録となりました。
40代に入ってからは糖尿病にも苦しみます。むちうち症で力士としての限界を感じて以降も稽古を続けていましたが、稽古中にできた左足親指の傷の処置が不十分だったため化膿し、結果的に右足親指が壊死し切断することとなりました。2014年3月場所後に手術を受け、翌5月場所で入門以来28年目にして初めての休場（全休）を経験します。これにより、継続していた連続出場記録1169が止まりました。これは当時の現役力士の中で最高記録、幕下以下のみでは歴代最高記録でした。続く7月場所も全休したため、9月場所では初土俵以来初めて番付外に転落しました。
しかし、彼はこの場所から復帰し、43歳という異例の高齢で前相撲に出場します。2勝4敗と勝ち越せず再出世は通常より遅れましたが、これは2005年に梓弓俊作が記録した30歳を大幅に更新する最高齢前相撲出場記録となりました。さらに、2015年7月場所直前には右足中指を切断し、この場所も全休しました。生涯の休場はこの3場所のみでした。
長年の目標は、師匠である北の湖親方が定年を迎えるまで現役を続けることでした。しかし、北の湖親方は2015年11月場所中に理事長の職務中に急逝し、その目標は叶いませんでした。師匠が亡くなった日には、自身のその場所の7番相撲を終えており、その後は報道陣への対応に専念したといいます。北の湖部屋は、部屋付きだった20代山響（元巌雄）が師匠を継承し、山響部屋と改称されましたが、北斗龍は引き続き同部屋に所属しました。
北の湖親方の一周忌までは現役を続けると改めて決意し土俵に上がり続けましたが、一周忌が明けた直後の2017年1月場所、東序二段57枚目で迎えた場所で、30年以上に及ぶ力士生活で初めてとなる7戦全敗を喫します。本人はこれをきっかけに「気持ち的に」引退を決意したと語っています。翌3月場所では4勝3敗と勝ち越し、この場所を最後に現役を引退しました。彼の引退により、同期の華吹が昭和時代に初土俵を踏んだ最後の現役力士となりました。
通算成績は577勝690敗21休。通算在位場所数は186場所で、これは大相撲史上4位の記録です。
引退後は、福岡市内で知人が経営するから揚げ店に勤務しています。足の状態から座って作業していますが、仕事ぶりや接客能力は店主から高く評価されており、将来は店を任せたいと期待されています。彼は、力士としてだけでなく、一人の人間としても多くの人々に支えられ、その真面目さと誠実さで引退後も新たな道を歩んでいます。
主な成績
通算成績：577勝690敗21休（186場所）
通算在位186場所は史上4位
改名歴
丸山 定裕（まるやま さだひろ） 1986年3月場所
北斗龍 定裕（ほくとりゅう さだひろ） 1986年5月場所 - 2017年3月場所
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