北旭川駅

北旭川駅：北海道の物流を支える貨物駅の軌跡

北旭川駅は、北海道旭川市流通団地にある日本貨物鉄道（JR貨物）の貨物駅です。宗谷本線に属し、北海道北部の物流において重要な役割を担っています。本稿では、北旭川駅の開業から現在までの歴史、駅構造、取扱う貨物、そして周辺環境について詳細に解説します。

開業から現在まで：発展と変化の歴史

北旭川駅は1968年10月1日、日本国有鉄道の貨物駅として開業しました。開業当初から農産物の集散地として機能し、1971年には農産品ターミナルが設置され、規模を拡大しました。1974年には小荷物取扱も開始、一般駅としての機能も有しましたが、1984年には小荷物取扱を廃止し、再び貨物駅としての業務に特化しました。

1980年には東旭川駅までの石北本線貨物支線が延伸、さらに北見コンテナセンターや名寄駅との間でトラック便の運行を開始するなど、物流網の拡充が図られました。国鉄分割民営化（1987年）を経て、現在ではJR貨物によって運営されています。

2000年には旭川駅-名寄駅間の高速化に合わせ構内改良を実施。旭川運転所の移転（2003年）や、2012年の石油輸送列車廃止など、時代の変化に合わせて駅は常に進化を遂げてきました。

駅構造：効率的な貨物取扱いのための設計

北旭川駅は地上駅で、3面6線のコンテナホームを備えています。そのうち、北側の一部分には上屋付きの貨物ホームがあり、天候に左右されない荷役作業を可能にしています。コンテナホーム以外にも、荷役線や着発線が複数設けられ、スムーズな貨物列車の入換作業を可能にしています。

駅構内には、JR貨物旭川営業支店、札幌機関区旭川派出、北海道農産品ターミナル旭川営業所などが併設されています。これらの施設が一体となって、効率的な貨物取扱いをサポートしています。

また、駅舎の向かい側にはJR北海道の旭川運転所があり、当駅は旅客列車の乗務員交代にも利用されているため、一部の旅客列車も停車します。

取扱う貨物：多様なニーズに対応

北旭川駅は、コンテナ貨物と専用線発着車扱貨物の両方を扱っています。コンテナ貨物では、JR規格およびISO規格の各種コンテナを用い、野菜、米、砂糖、乳製品などの発送貨物と、宅配便、紙、液化天然ガス (LNG) などの到着貨物を扱っています。特に、LNGは旭川ガス向けの都市ガス用として、苫小牧貨物駅から輸送されています。

さらに、産業廃棄物や特別管理産業廃棄物の取扱許可も取得しており、多様なニーズに対応できる体制を整えています。以前は、石油類の輸送も行っていましたが、2012年に廃止されました。

貨物列車とトラック便：広範囲にわたる物流網

北旭川駅には、札幌貨物ターミナル駅発着の高速貨物列車が1日6本運行されています。また、北見駅や名寄オフレールステーションとの間では、トラック便が1日10往復運行され、効率的な貨物輸送を支えています。

駅周辺環境：物流拠点としての立地

北旭川駅の周辺には、永山の市街地や倉庫・問屋街が広がっています。また、日本通運旭川統括支店旭川支店コンテナセンター、旭川流通団地簡易郵便局、明治旭川工場、旭川青果卸売市場、旭川地方卸売市場など、物流関連施設が集積しています。国道39号、国道12号（旭川新道）、北海道道641号北旭川停車場線、北海道道761号北旭川停車場永山線などもアクセス良好です。

北旭川駅の今後

北旭川駅は、北海道北部の物流における重要な拠点として、今後もその役割を果たしていくことでしょう。効率的な貨物輸送システムの維持・向上とともに、地域経済の発展に貢献していくことが期待されます。今後の動向にも注目していきたいところです。

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