旭川運転所

JR北海道旭川運転所：北海道北部の鉄道を支える拠点

JR北海道旭川運転所は、北海道旭川市永山地区に位置する、同社の車両基地です。かつては旭川駅に隣接していましたが、旭川駅の高架化を含む大規模な都市開発事業に伴い、2003年9月1日に北旭川駅構内の旧貨物ヤード跡地へ移転しました。

移転した新施設では、近代的な車両整備設備に加え、蒸気機関車や除雪車の向きを変えるための転車台が新設されました。運転所は北旭川駅の6番線に隣接する7番線と8番線を占めており、貨物列車のディーゼル機関車の回送や燃料補給のための貨物駅への渡り線も整備されています。この渡り線はスイッチバック方式を採用し、運転所から直接貨物駅構内へアクセスできるようになっています。そのため、運転所構内と貨物駅構内には入換信号機が設置されています。

旭川運転所には電気車は配置されていませんが、函館本線で使用される電車（789系、737系）の収容を目的として、構内の一部は電化されています。この電化区間は、日本の鉄道電化区間の最北端かつ最東端を誇ります。以前、旭川駅近辺にあった宮前跨線橋付近が最北端でしたが、駅の高架化と運転所の移転に伴い、その座は北旭川駅へと引き継がれました。なお、運転所の移転により、旭川駅と運転所間の宗谷本線も複線交流電化されましたが、宗谷本線を走行する営業列車は全て気動車です。

運転所内には、事務所が入居する本社屋、車両の整備を行う整備庫、格納庫、そして蒸気機関車の保管・整備を行う機関車庫が設置されています。敷地内には、多様な車両が保管・整備されています。

旭川運転所の歴史

旭川運転所は、1898年5月10日、旭川駅に隣接する形で旭川機関庫として開設されました。同年7月16日には、国鉄旭川工場が併設され、車両の製造・整備・廃車解体などが行われていました。1936年9月1日には旭川機関区に改称され、その後、旭川運転所と改称されました。1987年4月1日の国鉄分割民営化によりJR北海道に承継され、2003年9月1日の移転を機に、車両整備の一部と廃車解体業務は苗穂工場と釧路運輸車両所へ移管されました。

旭川運転所の配置車両

旭川運転所には、石北本線、宗谷本線、富良野線、留萌本線などで運用される気動車のほか、動態保存されている蒸気機関車やイベント列車用の客車など、多様な車両が配置されています。2024年4月1日現在、配置車両の車体には、旅客車は「旭アサ」、機関車は「旭」の略号が記されています。

気動車

キハ40形：様々なバリエーションの車両が多数配置されています。近年は、他運転所からの転属や廃車、新製配置が繰り返されています。
キハ54形：留萌本線、函館本線、宗谷本線で運用される普通・快速ワンマン列車に使用されています。
キハ150形：留萌本線、函館本線で運用される普通ワンマン列車に使用されています。
H100形：石北本線、宗谷本線、富良野線、釧網本線で運用される普通・快速ワンマン列車に使用されています。
キヤ291形：線路巡回用の車両です。

機関車

C11形蒸気機関車：動態保存車両で、イベントなどで使用されます。
DE10形ディーゼル機関車：構内の入換作業に使用されます。
DE15形ディーゼル機関車：主にラッセル式除雪車として使用されます。

客車

* 510系：トロッコ列車「富良野・美瑛ノロッコ号」で運用されています。

過去の所属車両

過去には、様々な種類の客車や貨車が配置されていましたが、近年は多くの車両が廃車または他の車両基地へ転属しています。

参考文献

記載されている車両の配置状況などは、『鉄道ファン』誌の別冊付録「JR旅客会社の車両配置表」シリーズを参照ください。

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