北海道区制
北海道区制の概要
北海道区制とは、明治30年（1897年）5月29日に公布された勅令で、北海道における地方自治についての規定を設けた重要な法律です。この制度は、当時の大日本帝国憲法の下での市制に関連し、市の運営や地方自治の在り方に大きな影響を与えました。
沿革
1888年、明治21年に市制・町村制が制定されましたが、その時点では北海道は当該制度の適用外でした。当時の内務大臣である井上馨は、北海道において他の府県と同様の自治制度を施行するのはまだ早いとの見解を示し、自治財政においても負担できる町村とそうでない町村を区別すべきだと提言しました。これにより、北海道地域の地方自治のあり方が見直されることとなります。
1899年10月1日、この北海道区制と、それに伴う一・二級町村制が施行されました。この勅令は、市制に準じた内容でしたが、市会が予算外の支出や決算報告の認定権を持たないなど、重要な権限は制限されていました。
当初、この制度では札幌区、函館区、小樽区が施行され、続いて1914年に旭川区、1918年に室蘭区、1920年には釧路区が設立されました。これにより、北海道内の主要な市区が順次設立され、地方自治の体制が強化されていきました。ただし、これらの区は市制の完全な施行を受けてはいませんでした。
1922年には市制第177条の改正が行われ、北海道からの除外が定められたことにより、この年の8月1日までに6つの区が市制を施行しました。これにより、北海道区制は終焉を迎え、市制の下でのさらに強固な自治体の形態が確立されることになります。
北海道区制の廃止
しかし、1923年1月22日、「北海道区制廃止ノ件」という勅令が公布され、同日中に施行されました。これにより、北海道区制は正式に廃止され、その歴史的な役割を終えました。廃止に伴い、北海道の自治制度は市制に完全に統一され、新たな地方自治体の形態へと進化を遂げていきました。
参考文献
関連項目
このように、北海道区制は日本の地方自治の歴史の一部を成す重要な制度であり、その影響は今でも感じられる部分があります。
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