北海道立道南四季の杜公園

北海道函館市に位置する、「人と自然の共存」を主要なテーマに掲げた道立公園です。道南地域では初の道立公園として整備が進められ、2003年（平成15年）に「花の丘ゾーン」と「野原の丘ゾーン」が先行して開園。その後、2005年（平成17年）には「小川の里ゾーン」と「里の森ゾーン」も加わり、公園全体の供用が開始されました。

公園では、来園者が身近に「生きた自然」を感じられるような環境づくりを目指しており、自然観察会や体験イベントなど、様々な催しが企画・実施されています。また、2010年（平成22年）には大規模なイベント『HAKODATE 黒船2010』の会場ともなりました。一般からの参加を募るボランティア団体「四季の杜公園ボランティア」が公園の維持管理やイベント運営などをサポートしています。

公園を構成する多様なゾーン

公園内は、それぞれ異なる魅力を持つ4つのゾーンに分かれています。

花の丘ゾーン

北海道内では珍しい大規模なヒースガーデンが見どころの一つで、主にエリカやカルーナといった植物が植えられています。ヒースガーデンのほかにも、一年草や宿根草を植栽した花壇が設けられており、春から秋にかけて四季折々の美しい花々を鑑賞できます。ゾーンの中心にはセンターハウス「丘の家」があり、公園管理事務所、休憩や展望を楽しめるラウンジ、子供向けの多目的集会室などが整備されています。

野原の丘ゾーン

広々とした芝生広場が広がり、子供たちが自由に駆け回って遊ぶのに最適です。大型の遊具も充実しており、ネットジャングルやふわふわドーム、コンビネーション遊具などが設置されています。ファンシーサイクル（変わり種自転車）専用のコースもあり、家族で楽しむことができます。また、「野原の家」にはバーベキュー設備が整っており、アウトドアレジャーを満喫できます。

小川の里ゾーン・里の森ゾーン

この二つのゾーンは、かつての里山風景を再生することを目指しています。かつてこの地域では林業が盛んでしたが、エネルギー源の変化に伴い、伐採や植林が行われなくなり、荒廃が進んでいました。このエリアでは、その土地本来の自然環境を活かしながら、里山本来の姿を取り戻す取り組みが進められています。荒廃したスゲ田や水田の再生も行われています。「小川の里ゾーン」にある「里の舎（いえ）」は、休憩や自然学習、実習などに利用できる施設です。「里の森ゾーン」には天然林が広がり、適切な間伐作業や樹木の名前を記した樹名板づくりなどが行われています。

利用案内

年間を通じて多くの期間で開園しており、開園期間は1月4日から12月28日までです。11月1日から3月31日までは冬期営業となります。開園時間は通常9:00から17:00までですが、「野原の丘」のみ10:00から16:00となります。入園料は無料です。

散策コース

公園内には複数の散策コースが整備されており、気軽に自然の中を歩くことができます。

カラマツコース: 花の丘南駐車場から里の舎へ向かう、所要時間およそ10分のコース。人工的に植えられたカラマツ林の中を通ります。アカゲラが木を叩く音や、春にはエゾハルゼミの鳴き声を聞くことができます。
カツラコース: 里の舎から公園の管理エリア方面へ向かう、所要時間およそ15分から20分のコース。田園風景を眺めながら、様々な種類の樹木や野草に出会えます。特に、甘い香りを放つことから「香（コウ）の木」としても知られるカツラの大木や、春に見られるミズバショウの群落が見どころです。
* ミズナラコース: キタコブシ広場付近からミズナラ広場付近にかけての、所要時間およそ20分から30分のコース。ミズナラの森を通り、比較的起伏のある散策路です。秋には多くのドングリを見つけることができます。エゾリスなどの小動物や野鳥も観察しやすく、稀に瑠璃色の美しいオオルリに出会えることもあります。

アクセス

公園には公立はこだて未来大学が隣接しており、周辺には新中野ダムや笹流ダムといった施設も位置しています。公共交通機関を利用する場合、函館バスの「四季の杜公園」バス停が便利ですが、この系統は4月から10月までの土日祝日のみの運行となります。自動車を利用する場合は、函館新外環状道路の赤川インターチェンジが最も近いインターチェンジです。

もう一度検索