北進駅

北進駅

北進駅は、かつて北海道白糠郡白糠町上茶路に存在した日本国有鉄道（国鉄）白糠線の鉄道駅（廃駅）です。同線の終着駅としての役割を担いましたが、白糠線の廃線に伴い、1983年（昭和58年）10月23日に廃止されました。

歴史

白糠線は、もともと白糠駅と上茶路駅の間が1964年（昭和39年）に営業を開始していました。北進駅までの延伸区間は1970年（昭和45年）には工事が完了していたものの、その開業は難航します。これは、沿線にあった炭鉱の閉山により、延伸区間の開業が見込まれる利用客が極めて少ないと予測され、国鉄が開業に消極的だったためです。しかし、当時の運輸大臣であった佐々木秀世氏の強い後押しを受け、1972年（昭和47年）9月8日に上茶路駅から北進駅までの区間がようやく開業に至りました。

開業後も状況は厳しく、駅周辺の人口はわずかで、運行される列車も1日3往復のみでした。利用客は主に地元の学生に限られていたといわれています。

白糠線自体は、この北進駅からさらに延伸し、池北線の足寄駅までを結ぶ計画がありましたが、1972年度以降、建設予算が計上されず、工事は事実上凍結されたまま未成線となりました。

結局、国鉄の経営再建を目指して1980年（昭和55年）に施行された「日本国有鉄道経営再建促進特別措置法」（国鉄再建法）に基づき、白糠線は経営効率の低い地方閑散路線、すなわち特定地方交通線に指定されます。そして、この区分による廃止の最初の事例の一つとして選定され、1983年10月23日、開業からわずか11年という短い歴史に終止符を打ちました。

年表

1972年（昭和47年）9月8日：白糠線の上茶路駅 - 当駅間が延伸開業。旅客のみを取り扱う無人駅として営業を開始しました。
1983年（昭和58年）10月23日：白糠線の全線廃止に伴い、駅も廃止されました。

駅名の由来

駅が開設される以前、この地域の地名は茶路川の分岐にちなんで「三股」と呼ばれており、建設工事実施計画が認可された時点での駅の仮称も「釧路二股」でした。しかし、駅名が正式に定められるにあたり、「今後なお北方に進み、開拓と発展を期待する」という願いを込めて、「北進」と命名されたとされています。

駅構造

廃止された時点では、北進駅は単式ホーム1面1線を有する地上駅であり、白糠線の線路の終端に位置していました。ホームは線路の西側、白糠方面から北進方面に向かって左手に設置されていました。開業当初から職員が配置されない無人駅でしたが、駅舎はなく、ホームから少し離れた場所に待合室が設けられていました。

駅周辺

近隣には国道274号線と国道392号線が通り、茶路川が流れています。かつては北進簡易郵便局なども存在しました。

駅跡の現状

廃止後、駅があった場所は長い間にわたり空き地となり、2001年（平成13年）の時点ですでに駅の遺構は全く残されていませんでした。2011年（平成23年）時点でも状況は変わらず、駅そのものの痕跡を確認することはできません。

ただし、駅からほど近い場所には、白糠線の施設であった「第二十三茶路川橋梁」などが現存し、一部は道路橋として転用され、利用されているものもあります。

隣の駅

日本国有鉄道 白糠線における隣駅は以下の通りでした。

下北進駅 - 北進駅 - （この先、池北線足寄駅への延伸計画区間は未成に終わりました）

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