北部諸島市 (北マリアナ諸島)

北部諸島市は、アメリカ合衆国自治領である北マリアナ諸島を構成する4つの基礎自治体の一つです。サイパン島の北に連なる島々から成り、その範囲はファラリョン・デ・パハロス島からファラリョン・デ・メディニラ島まで、10の島々と周辺の小島嶼、岩礁を含みます。総面積は154.755平方キロメートルです。

住民

この市には100名以上の有権者が登録されていますが、2010年のアメリカ合衆国国勢調査では定住人口は確認されませんでした。ただし、パガン島やアグリハン島には季節的に居住する人々が存在します。北部諸島の住民の多くは、経済や教育上の理由からサイパン島に第二の住居を持つ傾向があります。

過去には、火山活動や台風などの自然災害により、住民の避難が度々行われてきました。1980年代前半にはパガン島で、2003年にはアナタハン島、2009年9月にはアラマガン島で住民避難が発生しています。伝統的にパガン島のショムション集落に置かれていた市長公邸と市庁舎も、現在はサイパンに「亡命」状態となっています。

交通・通信

パガン島には小規模な飛行場があるものの、主要な交通手段は船舶に限られています。電気や電話などのインフラは整備されておらず、通信手段は発電機と無線に依存しています。

経済

かつては農業と漁業が主な産業でしたが、1980年代前半の火山噴火以降、ポゾラン（コンクリート用のシリカ質混合材）の採掘が小規模な産業として発展しました。

まとめ

北部諸島市は、その地理的な特徴から、自然環境と密接に関わりながら独自の文化を形成してきた地域です。定住人口は少ないものの、住民の生活や経済活動は、自然の恵みと災害の両方から影響を受け続けています。また、サイパン島との密接な関係も、北部諸島市の重要な側面と言えるでしょう。

参考文献

Northern Mariana Islands and constituent municipalities, United States Census Bureau
Pascal Horst Lehne and Christoph Gäbler: Über die Marianen. Lehne-Verlag, Wohldorf in Germany 1972.

外部リンク

* Official site of the Northern Islands

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