十大家紋

十大家紋

十大家紋とは、日本の家紋の中でも特に広く用いられている代表的な10種類の家紋を指します。

概要

これらの家紋は、公家、武家、そして平民に至るまで、身分に関わらず幅広い層に使用されてきました。十大家紋の中から特に片喰紋、桐紋、鷹の羽紋、藤紋、木瓜紋は五大家紋として扱われることもあります。また、三大家紋は十大家紋の中から選ばれることもあれば、皇室の菊紋や桐紋、上流公家の牡丹紋、徳川家の葵紋など、権威ある家紋が選ばれることもあります。

十大家紋一覧

柏紋

柏紋は、古くから神職に多い家紋とされ、熱田神宮宮司家の千秋家や日御碕神社宮司家の小野家などが使用しています。神職以外では、土佐藩主の山内家が使用しており、三菱グループのスリーダイヤの元になった家紋としても知られています。

片喰紋

片喰紋は、あらゆる業種や身分の家で使用されており、太政大臣まで上り詰めた公家の藤原一族大炊御門家や、徳川四天王に数えられる庄内藩主酒井家が代表的な例です。

桐紋

桐紋は、古来より皇室など身分の高い家で使用されてきました。その名残から、現在でも日本政府をはじめとする多くの公的機関のシンボルマークとして用いられています。徳川将軍家の葵紋や天皇家の菊紋のように使用が禁止された家紋もある中で、桐紋は禁止されなかったため、現在まで広く普及しました。豊臣家が使用していたことでも知られています。

鷹の羽紋

鷹の羽紋は、動物紋に分類される家紋で、広く普及した家紋の中では珍しい植物由来ではない紋です。武家に人気があり、広島藩主浅野家や福山藩主阿部家などが使用しました。

橘紋

橘紋は、平安時代に権勢を誇った橘氏に関わる家系の家紋とされています。太刀花とも呼ばれ、武家の間でも広まりました。井伊家が橘紋を使用していたことで知られています。

蔦紋

蔦紋は、元々は柏紋から派生した家紋とされ、皇族の家紋や副紋としても用いられました。棚倉藩主松平松井家などが使用しています。

藤紋

藤紋は、公家を代表する藤原氏一族の家紋として広まりました。摂関家である九條家、二條家、一条家などが藤紋を掲げています。

茗荷紋

茗荷紋は、ミョウガの音が「冥加」に通じることから、神の加護が得られる家紋として広く浸透しました。鳥羽藩主稲垣家が使用しています。

木瓜紋

木瓜紋は、武家や木工職に関わる家系に多い家紋です。織田信長・織田家、公家の徳大寺家、佐倉藩主堀田家、飫肥藩主・岡田藩主伊東家などが使用しました。

沢瀉紋

沢瀉紋は、オモダカの葉の形状から「勝軍草」とも呼ばれ、武家に人気がありました。水野家（結城藩主、山形藩主など）が使用したことで知られています。

関連項目

家紋の一覧
見聞諸家紋

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