十条冨士神社

十条冨士神社

十条冨士神社（じゅうじょうふじじんじゃ）は、東京都北区に位置する神社です。その創建年代は明らかではありませんが、江戸時代中期に富士信仰を広めた食行身禄（じきぎょうみろく、1671-1733）の活動以降に創建されたと考えられています。

祭礼

毎年6月30日と7月1日の二日間、富士山の山開きに合わせて大祭が開催されます。この祭りは地元で「おふじさん」と呼ばれ親しまれ、多くの人々で賑わいます。特に、都道460号線（日光御成道）から十条銀座にかけての道沿いには多数の露店が立ち並び、活気あふれる様子を見せます。この大祭は、富士講の一つである「十条冨士神社伊藤元講」によって主催されています。

十条冨士塚

神社の境内にある十条冨士塚は、元々、この地にあった古墳群の一つでした。古墳を基盤に、石碑などを配して富士塚として整備されました。現在見られる鳥居や山頂にある石祠は、食行身禄の150回忌を記念して1881年（明治14年）に建立されたものです。

この十条冨士塚は、1991年（平成3年）に北区の有形民俗文化財に指定されました。これは、地域における歴史的、文化的な価値が認められたことを意味します。また、2020年（令和2年）4月より、都道460号線の拡張工事に伴い、十条冨士塚を奥に移設する工事が開始されました。この工事は2023年に完了し、新たな姿で保存されています。

交通アクセス

神社へのアクセスは非常に便利で、最寄りの駅はJR京浜東北線の東十条駅です。駅から徒歩約5分という近さで、多くの参拝者が訪れています。

参考文献

芦田正次郎、工藤信一 著『北区史跡散歩 (東京史跡ガイド17)』学生社、1993年

関連情報

十条台古墳群: 十条冨士塚の元となった古墳群で、この地域の歴史を語る上で重要な遺跡です。
富士塚: 富士山を模して作られた塚で、富士信仰の拠点となる場所です。
富士信仰: 富士山を神聖視する信仰で、日本各地にその影響が見られます。

十条冨士神社は、地域の人々にとって信仰の場であるだけでなく、歴史と文化が息づく場所でもあります。訪れる人々は、この場所で、歴史の重みと地域の活気を感じることができるでしょう。

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