千代田 (防護巡洋艦)

千代田 (ちよだ) の概要

千代田は、日本海軍が運用した三等巡洋艦で、その名は江戸城の別称に由来しています。本艦は明治時代の千代田形に続く第二代目です。フランスで建造された防護巡洋艦畝傍が日本へ向かう途中で失踪したことを受け、その保険金を利用して代艦の建造が決定され、1888年にイギリスのトムソン社で起工されました。1891年には竣工し、日本に回航されました。

艦歴のハイライト

千代田は日清戦争や日露戦争に参加し、特に日清戦争では黄海海戦での成功に寄与しました。また、経年に伴い、1912年に二等海防艦に類別変更され、1914年には第一次世界大戦に活躍。戦後も水雷母艦や練習船として利用されるなど、その役割を広げていきました。最終的には1927年に廃船となり、実艦的として安全に処分されました。

艦型と設計

本艦は日本初の装甲巡洋艦とされ、水線部に装甲を施されましたが、その範囲は限られたものでした。艦の設計はルイ＝エミール・ベルタンにより行われ、イギリスの海軍設計にも影響を受けています。搭載する砲熕にはアームストロング社製の4.7インチ速射砲が使用され、これまでに装備されたことのない新たな試みでした。

機関

艦の機関としては、搭載されたボイラーの燃焼筒に問題が発生し、最終的には蒸気圧を低くして運転する必要がありました。このような問題にも対応しながら、艦は活躍を続けました。

主要スペック

• - 排水量: 2,133トン
• - 長さ: 100m
• - 幅: 11.10m
• - 吃水: 4.11m
• - 速力: 19ノット
• - 乗員: 300名
• - 兵装: 12cm砲11門、47mm速射砲6門、37mm旋回砲10門、魚雷発射管3門
• - 装甲: 剛性と堅牢性を持つ艦体

歴史的な運用

日清戦争では国木田独歩が乗艦しており、重要な作戦に参加しました。また、日露戦争の際には多くの戦闘での活躍が記録されています。大正時代に入ると、艦は大規模な修理を受けながらも第一次世界大戦に参加し、その後は水雷母艦としての役割に転じました。

練習船および廃船

1924年には、練習船として海軍兵学校に所属し、後に廃船処分が決定されました。最終的な運命は1932年に佐伯湾での戦技実施の際、標的として使用される形で沈没しました。このように、千代田は日本海軍の歴史において重要な地位を占めた艦船であり、多くの時代を経てその存在感を示した艦でもありました。

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