千代白鵬大樹
千代白鵬 大樹は、1983年4月21日に熊本県山鹿市で生まれた元大相撲力士です。本名は柿内大樹。九重部屋に所属し、突き、押しを得意手としていました。身長181cm、体重137kg。最高位は2009年5月場所の西前頭6枚目でした。
中学時代は柔道に打ち込んでおり、相撲経験はほとんどありませんでした。九重親方（元横綱・千代の富士）との出会いを機に九重部屋に入門。師匠の現役時代の活躍については、入門するまであまり知らなかったといいます。
1999年3月場所に初土俵を踏みました。同期には後に同じように番付を上げていった若麒麟らがいました。気っぷの良い突き押し相撲を武器に着実に番付を上げ、初土俵から2年半で幕下まで昇進しました。
2003年7月場所で初めて幕下上位に挑みましたが、7戦全敗と跳ね返されました。しかし、この経験を糧に翌年以降は幕下上位でも安定して勝ち越せるようになり、2005年1月場所では東幕下4枚目で全勝優勝を果たし、翌3月場所での十両昇進を決めました。
念願の十両昇進場所を前に、稽古中に横綱・朝青龍に吊り落とされた際や、安馬との稽古中に左脹脛を負傷。本場所中にも右足関節を痛め、途中休場を余儀なくされました。翌5月場所は怪我が完治しないまま出場し、1場所で十両から幕下へ陥落してしまいます。
その後は怪我の影響もあり、2006年3月場所を全休するなど番付を下げましたが、同年5月場所からは調子を取り戻し、勝ち越しを続けました。2007年3月場所で西幕下筆頭で勝ち越し、5月場所で再び十両に復帰。この場所は負け越しでしたが、翌7月場所は番付運にも恵まれ十両にとどまり、そこで9勝6敗と十両で初めて勝ち越しを決めました。勢いに乗り、自己最高位となった9月場所も9勝6敗と連続で勝ち越しました。
2007年11月場所は東十両5枚目で勝ち越し、新入幕の可能性もありましたが、翌場所は東十両2枚目にとどまり、入幕は叶いませんでした。2008年に入ると負け越しが続き、3月場所では腕の怪我もあって番付を落としましたが、5月場所では東十両11枚目で13勝2敗と大きく勝ち越し、自身初の十両優勝を果たしました。この活躍により、同年7月場所でついに新入幕を果たしました。新入幕の場所でも場所中に右腕を痛めながらも8勝7敗と勝ち越しを決め、幕内に定着する足がかりとしました。
その後はしばらく幕内に在位し、2009年5月場所では自己最高位となる西前頭6枚目まで番付を上げました。しかし、この場所の4日目、稀勢の里との対戦で敗れた際に右膝を負傷し、途中休場となりました。これにより十両へ転落し、無念にも幕内へ復帰することは二度とありませんでした。
千代白鵬の相撲人生は、度重なる不祥事によって幕を閉じます。
2008年9月、現役力士の薬物使用問題を受けて行われた日本相撲協会の抜き打ち薬物検査では、対象となった関取の中で唯一欠席した力士でした。
2010年に表面化した大相撲野球賭博問題においては、千代白鵬もこれに関与したとされ、日本相撲協会からの謹慎勧告を受け入れて同年7月場所を休場。この影響で翌場所は大きく番付を下げ、幕下へ陥落しました。
さらに2011年2月、野球賭博に関する警察の捜査に関連して、千代白鵬が他の力士と八百長に関するメールのやり取りをしていた疑惑が浮上しました。日本相撲協会の事情聴取に対し、本人は八百長を認めるに至りました。千代白鵬は引退届を提出しましたが、協会の処分対象であったためすぐには受理されませんでした。同年4月1日、相撲協会から出場停止2年間の処分が下されると同時に、引退届が正式に受理されました。「相撲協会関係者、ファンの皆様に大変ご迷惑をおかけして本当に申し訳ない」とのコメントを残し、角界を去りました。
2000年5月場所での朝ノ霧戦で、対戦相手の廻しが外れて不浄負けとなり、千代白鵬が反則勝ちを収めた珍しい一番があります。これは廻し着用の規則が改められて以降83年目で初の出来事であり、「相撲で最もまれな負け方」としてギネス世界記録にも掲載されています。
四股名は、千代の富士と白鵬という二人の名横綱の名前を連想させますが、千代白鵬の方が先に命名しています（由来は中国の不死鳥「鵬」と白星から）。不祥事による引退時には、その立派な四股名との対比から「大麻・賭博・八百長の三冠王」などと皮肉られることもありました。
2009年1月には、出身地である山鹿市の「ふるさとやまが大使」に任命されています。
現役時代、白鵬ら宮城野部屋の関係者とは懇意な間柄でしたが、自身が八百長疑惑で引退に追い込まれる最中、現役最終場所後に白鵬の優勝祝賀会に参加したことが、当時の状況下では批判の対象となりました。
角界を去った後は、いくつかの仕事を経て故郷の山鹿市に戻り、農業に取り組んでいることが報じられました。友人と会社を設立し、大麦若葉の生産を始めたとされます。また、2023年には山鹿市内でバー、飲食店、イベント会社を経営していることも伝えられています。
来歴
中学時代は柔道に打ち込んでおり、相撲経験はほとんどありませんでした。九重親方（元横綱・千代の富士）との出会いを機に九重部屋に入門。師匠の現役時代の活躍については、入門するまであまり知らなかったといいます。
1999年3月場所に初土俵を踏みました。同期には後に同じように番付を上げていった若麒麟らがいました。気っぷの良い突き押し相撲を武器に着実に番付を上げ、初土俵から2年半で幕下まで昇進しました。
2003年7月場所で初めて幕下上位に挑みましたが、7戦全敗と跳ね返されました。しかし、この経験を糧に翌年以降は幕下上位でも安定して勝ち越せるようになり、2005年1月場所では東幕下4枚目で全勝優勝を果たし、翌3月場所での十両昇進を決めました。
念願の十両昇進場所を前に、稽古中に横綱・朝青龍に吊り落とされた際や、安馬との稽古中に左脹脛を負傷。本場所中にも右足関節を痛め、途中休場を余儀なくされました。翌5月場所は怪我が完治しないまま出場し、1場所で十両から幕下へ陥落してしまいます。
その後は怪我の影響もあり、2006年3月場所を全休するなど番付を下げましたが、同年5月場所からは調子を取り戻し、勝ち越しを続けました。2007年3月場所で西幕下筆頭で勝ち越し、5月場所で再び十両に復帰。この場所は負け越しでしたが、翌7月場所は番付運にも恵まれ十両にとどまり、そこで9勝6敗と十両で初めて勝ち越しを決めました。勢いに乗り、自己最高位となった9月場所も9勝6敗と連続で勝ち越しました。
2007年11月場所は東十両5枚目で勝ち越し、新入幕の可能性もありましたが、翌場所は東十両2枚目にとどまり、入幕は叶いませんでした。2008年に入ると負け越しが続き、3月場所では腕の怪我もあって番付を落としましたが、5月場所では東十両11枚目で13勝2敗と大きく勝ち越し、自身初の十両優勝を果たしました。この活躍により、同年7月場所でついに新入幕を果たしました。新入幕の場所でも場所中に右腕を痛めながらも8勝7敗と勝ち越しを決め、幕内に定着する足がかりとしました。
その後はしばらく幕内に在位し、2009年5月場所では自己最高位となる西前頭6枚目まで番付を上げました。しかし、この場所の4日目、稀勢の里との対戦で敗れた際に右膝を負傷し、途中休場となりました。これにより十両へ転落し、無念にも幕内へ復帰することは二度とありませんでした。
疑惑・不祥事
千代白鵬の相撲人生は、度重なる不祥事によって幕を閉じます。
2008年9月、現役力士の薬物使用問題を受けて行われた日本相撲協会の抜き打ち薬物検査では、対象となった関取の中で唯一欠席した力士でした。
2010年に表面化した大相撲野球賭博問題においては、千代白鵬もこれに関与したとされ、日本相撲協会からの謹慎勧告を受け入れて同年7月場所を休場。この影響で翌場所は大きく番付を下げ、幕下へ陥落しました。
さらに2011年2月、野球賭博に関する警察の捜査に関連して、千代白鵬が他の力士と八百長に関するメールのやり取りをしていた疑惑が浮上しました。日本相撲協会の事情聴取に対し、本人は八百長を認めるに至りました。千代白鵬は引退届を提出しましたが、協会の処分対象であったためすぐには受理されませんでした。同年4月1日、相撲協会から出場停止2年間の処分が下されると同時に、引退届が正式に受理されました。「相撲協会関係者、ファンの皆様に大変ご迷惑をおかけして本当に申し訳ない」とのコメントを残し、角界を去りました。
特記事項
2000年5月場所での朝ノ霧戦で、対戦相手の廻しが外れて不浄負けとなり、千代白鵬が反則勝ちを収めた珍しい一番があります。これは廻し着用の規則が改められて以降83年目で初の出来事であり、「相撲で最もまれな負け方」としてギネス世界記録にも掲載されています。
四股名は、千代の富士と白鵬という二人の名横綱の名前を連想させますが、千代白鵬の方が先に命名しています（由来は中国の不死鳥「鵬」と白星から）。不祥事による引退時には、その立派な四股名との対比から「大麻・賭博・八百長の三冠王」などと皮肉られることもありました。
2009年1月には、出身地である山鹿市の「ふるさとやまが大使」に任命されています。
現役時代、白鵬ら宮城野部屋の関係者とは懇意な間柄でしたが、自身が八百長疑惑で引退に追い込まれる最中、現役最終場所後に白鵬の優勝祝賀会に参加したことが、当時の状況下では批判の対象となりました。
主な成績
引退後
角界を去った後は、いくつかの仕事を経て故郷の山鹿市に戻り、農業に取り組んでいることが報じられました。友人と会社を設立し、大麦若葉の生産を始めたとされます。また、2023年には山鹿市内でバー、飲食店、イベント会社を経営していることも伝えられています。
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