千葉勝胤

千葉勝胤（ちば かつたね）

千葉勝胤は、戦国時代の武将で、下総国（現在の千葉県北部）を支配した千葉氏の当主です。本佐倉城（現在の千葉県印旛郡酒々井町本佐倉）を拠点に活躍しました。父は千葉孝胤。

生涯

1471年、千葉孝胤の嫡男として生まれました。1492年に父が出家したため家督を継ぎ、千葉氏の当主となります。この時、千葉氏は古河公方の支援を受けており、勝胤もその影響下で勢力を拡大しました。

しかし、古河公方との関係は必ずしも良好ではなく、1502年から1504年にかけて古河公方との間で争いが起きました。この戦いでは、本佐倉城に近い篠塚を拠点とする敵勢力と対峙しましたが、両上杉氏の対立が激化したことで和睦に至りました。また、同時期に起きた立河原の戦いでは、対立関係にあった千葉守胤に対抗するため上杉顕定側についたものの、大敗を喫しました。この時期、父の孝胤は上杉朝良側、勝胤は上杉顕定側と、父子間で対立があったという説もあります。

1505年には、子の昌胤の元服式が盛大に行われ、この頃には家中の状況も安定し、下総の諸豪族からの支持も集めていたと考えられます。1509年には隠居し、家督を子の昌胤に譲りますが、実権は保持し、古河公方家の内紛にも関与しました。

1517年、古河公方足利政氏の次男である足利義明が挙兵し、小弓公方を自称すると、勝胤はこれに対抗しました。臼井氏が小弓公方側についたことを古河公方足利高基に伝え、共に義明の拠点を攻撃しました。北条氏綱に援軍を求めましたが、義明との関係を重視していた氏綱に拒否されています。

勝胤は武将としてだけでなく、文化人としても知られていました。和歌に深い関心を抱き、家臣団と共に「佐倉歌壇」と呼ばれる和歌集団を形成しました。彼の和歌は残っていませんが、親交のあった歌人衲叟馴窓が編纂した歌集には、千葉氏関係者の和歌が多数収録されています。また、佐倉の町の整備や寺社の建立にも尽力しました。自身も海隣寺・勝胤寺を建立しています。

1532年、死去。享年62歳。一説には戦死したとも言われています。勝胤寺には千葉氏の供養塔が、東京都足立区の長勝寺には武蔵千葉氏によって建てられた墓があり、下総千葉氏と武蔵千葉氏のつながりを示すものとして足立区の登録有形文化財になっています。

人物

戦国時代の激動期に、千葉氏の当主として家を守り抜いた武将でした。
和歌を愛し、文化的な側面も持ち合わせていました。
* 佐倉の町の発展に貢献しました。

その他

千葉県酒々井町では、本佐倉城のマスコットキャラクターとして、千葉勝胤をモデルとしたゆるキャラ「勝っタネ！くん」が採用されています。

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