千葉機関区

千葉機関区：歴史と役割の変遷

千葉機関区は、千葉市に存在した初代と、現在蘇我駅構内に位置する二代目の二つの機関区が存在します。本稿では、主にJR貨物管轄の二代目千葉機関区について解説します。

二代目千葉機関区：総武本線・外房線方面の貨物運行を支える拠点

二代目千葉機関区は、1997年3月21日、それまで総武本線・外房線方面の貨物列車運行拠点として機能していた新小岩機関区と佐倉機関区の移転・統合により発足しました。当初は機関車の配置も行っていましたが、2003年3月31日には車両配置がなくなりました。現在では、運転士業務（蘇我駅～大宮駅・新鶴見信号場間及び関連線区の乗務）と機関車の仕業検査が主な業務です。

機関車検修の拠点としての役割も担い、総武本線、外房線方面の貨物列車の運行を支えてきました。しかし、貨車の検修基地機能は持っておらず、千葉県内の貨物取扱駅で検査が必要となった貨車の検査は、京葉臨海鉄道千葉貨物駅構内の貨車検修施設で行われています。

2000年までは、非電化区間である越中島支線も担当していました。配置車両には「千」の略号が付けられていました。運用区間の一部に非電化区間があったため、ディーゼル機関車が主に配置されていました。2001年10月1日時点では、DD51形ディーゼル機関車が6両配置され、そのうち5両はスノープラウを装備していました。これらの機関車は、主に新小岩派出に駐在し、給油や検査のために蘇我駅との間を単機、または貨物列車の次位無動力回送で移動していました。給油・検修業務は京葉臨海鉄道に委託され、村田機関区（千葉貨物駅構内）で行われていました。総武本線・鹿島線の電化に伴い、貨物列車が電気機関車によるスルー牽引に変更されたことで、これらのディーゼル機関車は役目を終え、転属や廃車となりました。

千葉機関区の歴史：初代から二代目へ

千葉機関区の歴史は古く、1894年7月20日、総武鉄道の千葉駅構内に「本所機関庫千葉駐泊所」として開設されたのが始まりです。その後、1896年1月に「本所機関庫千葉分庫」に改組、1920年7月1日には「官設鉄道千葉機関庫」に昇格、1936年9月1日には「千葉機関区」と改称されました。初代千葉機関区は、戦後復興期の1951年に場所を移動し、1961年1月頃に再開発の一環として廃止されました。現在、千葉駅南口付近には「千葉機関区跡」の石碑が残されています。

1997年3月21日、新小岩機関区と佐倉機関区が移転・統合され、蘇我駅構内に二代目の千葉機関区が開設されました。これは初代とは全く異なる場所です。2001年10月1日には、鹿島方面への貨物列車が電気機関車によるスルー牽引に変更され、2003年3月31日には車両配置がなくなりました。

新小岩派出：新小岩機関区の継承

新小岩機関区は、総武本線方面の貨物列車運行の拠点として重要な役割を担っていました。新小岩操車場に隣接して設置され、無煙化以前はD51形蒸気機関車も配置されていました。新小岩地区の再開発に伴い、新小岩操車場が縮小されたため、1997年3月21日、佐倉機関区と統合され、蘇我駅構内に移転しました。その一部機能は新小岩信号場駅構内東側に縮小移転し、「千葉機関区新小岩派出」として残されましたが、2011年3月12日ダイヤ改正で廃止されました。

新小岩機関区は、1894年に錦糸町駅に開設された総武鉄道本所機関庫を前身とし、1929年に新小岩操車場に移転しました。1986年には新小岩貨車区を統合し、貨車の交番検査も行っていました。隣接していた新小岩車両所は、1997年8月25日に川崎貨物駅構内に移転し、川崎車両所となりました。

もう一度検索