千葉縣護國神社

千葉縣護國神社

千葉縣護國神社（ちばけんごこくじんじゃ）は、千葉県千葉市若葉区桜木に位置する護国神社です。社の象徴である神紋には、丸に桜紋が用いられています。

概要

この神社は、戊辰戦争の時代から第二次世界大戦の終結までの間に、国のために尊い命を捧げられた千葉県出身の方々の御霊をお祀りしています。合祀されている御霊の数は非常に多く、令和4年（2022年）2月時点では5万7828柱にのぼります。

沿革

当神社の歴史は明治時代に遡ります。明治11年（1878年）1月27日、当時の初代県令であった柴原和氏の発意によって、「千葉縣招魂社」として産声をあげました。創建当初は、明治維新の動乱で犠牲となられた佐倉藩の安達直次郎盛篤氏をはじめとする16柱の御霊が祀られました。

昭和14年（1939年）には、招魂社の制度が護国神社へと改編されるのに合わせ、「千葉縣護國神社」と名称を改めました。さらに昭和18年（1943年）4月には、国により各道府県に一社のみ指定される護国神社の一つとして位置づけられました。

創建当初の鎮座地は千葉県庁の公園内にありましたが、明治22年（1889年）には千葉神社境内へと移転しました。しかし、境内地の狭さが課題となり、昭和12年（1937年）からは亥鼻山への遷座計画が推進されました。そして昭和18年（1943年）に亥鼻山に新たな社殿が竣工し、鎮座祭が執り行われました。しかし、昭和20年（1945年）7月、千葉市街の大部分を焼き尽くした戦災により、この社殿は惜しくも焼失してしまいました。

第二次世界大戦の終結後、軍国主義的な色彩を排する社会情勢に応じ、神社は一時的に「頌徳神社」と改称されました。しかし、日本の主権回復後の昭和27年（1952年）に、再び千葉縣護國神社の名称に戻されました。

戦後の復興を経て、昭和42年（1967年）9月30日には、亥鼻山から千葉市中央区弁天へと境内を移しました。その後、平成8年（1996年）には、神社本庁が包括する神社のうち、特に由緒や規模の大きい別表神社に列せられました。

重要な出来事として、昭和48年（1973年）10月13日、この年に千葉県で開催された第28回国民体育大会の開会式に合わせて来県された昭和天皇・香淳皇后両陛下、及び当時の皇太子明仁親王・同妃美智子両殿下が、この神社を親拝・参拝されました。また、昭和53年（1978年）10月には、創立百年を記念する大祭が、春季例大祭と合わせて盛大に執り行われました。平成23年（2011年）5月には、特攻作戦で散華された英霊を偲ぶ特攻勇士の像が建立されています。

長らく中央区弁天に鎮座していましたが、戦没者遺族の方々の高齢化や、社殿を含む建物の老朽化が進んだことに伴い、令和4年（2022年）2月には、現在の若葉区桜木へと境内が移されました。

主な祭事

当神社では年間を通じて様々な祭事が行われますが、特に重要なものとして以下の祭礼があります。

春季例大祭: 毎年4月10日に執り行われます。
秋季例大祭: 毎年10月10日に執り行われます。
* みたま祭: 毎年7月13日から16日までの4日間、御霊を慰める祭事が斎行されます。

これらの祭事を通じて、戦没者の御霊への慰霊と平和への祈りが捧げられています。

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