千葉胤宣

千葉胤宣（ちば たねのぶ）

千葉胤宣は、室町時代中期に生きた武将で、千葉氏の第18代当主です。第16代当主である千葉胤直の子として生まれ、第17代当主である兄の千葉胤将の弟にあたります。

生涯

兄の胤将が享徳3年（1454年）に病死したため、父である胤直の後見のもと、胤宣は18代当主となりました。しかし、この時すでに鎌倉公方の足利成氏と関東管領の上杉憲忠・房顕との間で内紛（享徳の乱）が勃発しており、胤宣は混乱の中に置かれることになります。

享徳4年/康正元年（1455年）、足利成氏に味方した重臣の原胤房が千葉城を急襲。胤宣は父や叔父の胤賢とともに千田荘へと逃れます。父と叔父は志摩城へ、胤宣は多古城へとそれぞれ籠城しますが、上杉氏からの援軍は得られず、苦境に立たされます。8月12日、原胤房に加担した大叔父の馬加康胤の攻撃に耐えきれず、多古城は陥落。胤宣は、城の近くにあった阿弥陀堂で自刃し、その生涯を終えました。

一方、原胤房に攻められていた志摩城の父・胤直も、8月15日に東禅寺に逃れ、一族郎党とともに自刃。これにより、千葉氏宗家の嫡流は一時的に滅亡することとなりました。

しかし、胤宣の叔父である胤賢は、2人の子である実胤と自胤を連れて志摩城を脱出。胤賢自身は9月7日に小堤城（現在の千葉県横芝光町小堤）で自刃しますが、2人を八幡荘まで逃がし、その後、実胤と自胤は武蔵千葉氏として家名を残すこととなりました。

参考文献

多古町 観光情報 史話
房総の歴史 動乱期

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