馬加康胤

馬加康胤（まくわり やすたね）

馬加康胤は、室町時代前期に活躍した武将で、千葉氏の一族です。千葉康胤とも呼ばれます。第14代当主・千葉満胤の次男として生まれました。

享徳の乱と千葉氏の内紛

康胤の時代は、享徳の乱という大きな戦乱の時代でした。この乱は、鎌倉公方の足利成氏と関東管領の上杉氏の対立が発端となり、室町幕府も巻き込んだ複雑なものでした。成氏は幕府の支持を失い、下総古河城に拠点を移し古河公方と称しました。

下総守護であった千葉氏には、幕府と成氏の両方から支援の要請が届くようになりました。当時の当主であった康胤の甥・千葉胤直は、幕府の要請に応じ成氏討伐に動きましたが、康胤は成氏を支援すべきだと主張し、対立しました。さらに、千葉氏の重臣である原氏と円城寺氏の間で筆頭重臣の地位を巡る争いも起きており、千葉氏は内部で大きく二つに分裂することになりました。

千葉氏宗家を滅ぼす

享徳4年（1455年）、原胤房は千葉胤直・胤宣父子を攻め、千田庄へと追いやりました。その後、出家していた康胤もこれに加わり、胤直父子が立て籠もる多古城や島城を攻撃しました。円城寺尚任や、援軍に駆けつけた大掾頼幹も討ち滅ぼし、康胤は千葉氏宗家を滅ぼすという結果になりました。これにより、康胤は第19代当主の座に着くことになりました。

室町幕府の介入と康胤の最期

この内乱を収めるため、室町幕府は歌人であり千葉氏の一族でもある東常縁を派遣しました。常縁は康胤の本拠地である馬加に攻め込み、康胤は小弓へ、胤房は千葉へとそれぞれ逃れました。

康胤の最期は定かではありませんが、上総八幡の村田川で東常縁に討たれたという説が有力です。

墓所

康胤の墓所は、村田川に近い市原市八幡の無量寺にあります。そこには康胤と息子の胤持の墓と伝えられる五輪塔が残されています。また、花見川区幕張町一丁目には、康胤の首塚があります。

馬加の由来

康胤は、下総千葉郡馬加村（現在の千葉県千葉市花見川区幕張町）に居を構えたことから、「馬加」と称するようになりました。

その他

『千学集抜粋』によると、康胤は常陸国の大掾満幹の養子になったという記録も残されています。

関連事項

千葉氏
幕張
下総三山の七年祭り
千葉氏の一族（外部リンク）

もう一度検索