卑衍

卑衍（ひ えん） - 三国時代の武将

卑衍は、中国の三国時代に存在した武将であり、詳細な生没年については不明です。彼は主に公孫淵の配下として活動していました。卑衍の軍人としての経歴は、三国志やその後の演義に登場する数々の記述からうかがい知ることができます。

三国志における卑衍の活動

卑衍が登場する記録の一つは、景初2年（238年）に関するもので、彼はこの年に公孫淵の指揮のもと、司馬懿の軍に対抗するために派遣されました。彼は楊祚と共に遼東に駐屯し、歩兵や騎兵を合わせた数万の兵士を率いて、約20里にわたる塹壕を築くなど、警戒心を強めることに努めました。

しかし、司馬懿が到着すると、戦闘が始まり、卑衍は胡遵の指揮する魏軍に敗北を喫しました。攻撃を受けた際、卑衍は城の防衛が気になり、仲間たちと共に夜間に陣を離れる決断を下しました。その後、魏軍が襄平の近くまで迫ると、卑衍は必死の戦いを挑むものの、最終的には敗北を認めざるを得ませんでした。彼のその後の動向は記録に残されておらず、どのような最期を迎えたのかは不明のままです。

三国志演義における卑衍

卑衍はまた、三国志演義にも登場し、その描写が異なる点が興味深いです。演義の中では、彼は公孫淵の配下として大将軍の地位に任じられ、遼兵十五万を率いて中原へ攻撃を仕掛けたと言われています。この時、公孫淵の討伐に向かう司馬懿と交戦しましたが、卑衍は戦いの途中で夏侯覇に一刀のもとに討たれてしまいます。

卑衍の戦術と評価

卑衍は数々の戦闘に参加し、その勇敢さや指揮の手腕から一定の評価を受けていましたが、彼の戦果や戦術については具体的な成果を残すことができなかったとも言われています。そのため、歴史の中での彼の扱いはやや埋もれている部分が多く、彼の存在や業績を知るには限られた資料に依存せざるを得ません。

まとめ

卑衍は中国の三国時代において、力強い武将として活動し、公孫淵のもとで多くの戦闘に挑みましたが、最終的には彼の運命が如何に訪れたのかは謎に包まれています。彼の戦いの記録からは、その時代の人々や政権の動向を知る手がかりともなるものが存在します。

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