南区 (浜松市)

浜松市南区の概要

浜松市南区は、かつて浜松市を構成していた7つの行政区の一つで、市の東南部から南部にかけて広がっていました。2024年1月1日の行政区再編により、全域が中央区に移行し、南区としての歴史を閉じました。ここでは、再編時点での南区の姿を詳しく見ていきます。

歴史

南区の歴史は、明治時代の町村制施行にまで遡ります。当初は敷知郡や長上郡に属する複数の村として存在していましたが、浜松市への編入や合併を経て、2007年に南区として発足しました。以下に主な沿革をまとめます。

1889年（明治22年）：町村制施行により、白脇村、浅場村、新津村、飯田村、芳川村、河輪村、五島村が発足。
1896年（明治29年）：郡制施行により、各村が浜名郡に所属。
1904年（明治37年）：白脇村の一部が浜松町に編入。
1908年（明治41年）：浅場村の一部が浜松町に編入。
1910年（明治43年）：浅場村が入野村の一部を編入。
1914年（大正3年）：浅場村が可美村に改称。
1939年（昭和14年）：白脇村が浜松市に編入。
1949年（昭和24年）：可美村の一部が浜松市に編入。
1951年（昭和26年）：新津村、河輪村、五島村が浜松市に編入。
1954年（昭和29年）：芳川村、飯田村が浜松市に編入。
1991年（平成3年）：可美村が浜松市に編入。
2007年（平成19年）：浜松市が政令指定都市へ移行し、南区が発足。
2024年（令和6年）：浜松市の行政区再編により、南区が廃止され、中央区の一部となる。

地理

南区の面積は47.02平方キロメートルで、旧7区の中では5番目の広さでした。東区、西区、中区と隣接していました。天竜川河口や遠州灘に面しており、海岸線も有していました。

人口

2010年の国勢調査では、南区の人口は10万2381人で、旧7区の中では4番目に多い人口でした。

地区構成

南区は、以下の7つの地区で構成されていました。

五島地区：田園風景が広がり、遠州灘からの風が強い地域。南区役所が所在。
白脇地区：中田島海浜公園があり、浜松まつりの凧揚げ会場として知られる。
新津地区：国道1号沿いに流通倉庫が増加。米津浜の台場跡がある。
飯田地区：天竜川沿いに田園が広がり、商店や工場も点在。
芳川地区：商業地区で、在日ブラジル人の居住者が多い。
河輪地区：国道150号沿いに住宅や商店が密集し、天竜川沿いには田畑が残る。
可美地区：自動車メーカーのスズキ本社があり、住宅や商店が集まる。

行政

南区役所は、江之島町の旧サンビーチ浜松に設置されていました。また、各地区には協働センターや市民サービスセンターが設けられ、地域住民の行政サービスを担っていました。

公共機関

南区には、静岡県浜松東警察署や消防署の出張所、天文台などの公共施設がありました。また、郵便局や浄化センターなどの施設も存在していました。

観光

南区には、以下のような観光スポットがありました。

天竜川：豊かな自然が広がる。
中田島砂丘：日本三大砂丘の一つ。
浜松まつり：遠州灘海浜公園を会場とした凧揚げが有名。
スズキ歴史館：自動車メーカーのスズキの歴史を学べる。

その他、可美公園や中田島海浜公園などの公園施設、浜松まつり会館などの文化施設も存在していました。

健康

2015年時点での南区民の平均年齢は、全体で44.89歳でした。医療施設としては、浜松南病院や浜松東病院などの病院がありました。

教育

南区には、高等学校、中学校、小学校、特別支援学校がありました。また、幼稚園や保育園などの教育施設も存在していました。

交通

鉄道は、JR東海道本線の高塚駅が利用できました。また、東海道新幹線も区内を通過していました。バスは遠州鉄道バスが運行しており、道路は国道1号線、150号線、257号線などが整備されていました。

本社を置く企業

南区には、スズキ、共和レザー、エンシュウ、ハマキョウレックス、ASTIなどの東証上場企業の本社が所在していました。

南区の終焉

2024年1月1日の行政区再編により、南区は中央区の一部となり、その歴史に幕を閉じました。しかし、南区が育んできた地域文化や産業は、今後も浜松市の中央区の一部として受け継がれていくことでしょう。

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